みなさま、こんにちは!代表の塔筋です。

本記事ではリーダーシップの重要性と見極めについて実体験を交えて書きたいと思います。
組織の成長と成功には、リーダーの存在が非常に大きな役割を果たします。
リーダーの選定や昇進は、組織の未来を左右する重要な意思決定であり、この判断を誤ると組織全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

私自身、過去にリーダーの昇進において判断を誤り、大きな反省とともに貴重な学びを得た経験があります。
本記事では、リーダーの昇進における判断ミスが、どのように組織に影響を及ぼすのか、
その理論的な背景と具体的な事例を交えながら、わかりやすく解説してまいります。

また、優れたリーダーに求められる資質や、昇進を検討する際に考慮すべき点についても、記載していきます。
この記事が、皆様がより良いリーダー選びや組織づくりを行う上での一助となれば幸いです。

昇進の判断ミスが組織に及ぼす影響

ピーターの法則とは? 「ピーターの法則」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

これは、1969年に南カリフォルニア大学教授のローレンス・J・ピーター博士によって提唱された理論で、
「組織において、人は自身の能力の限界、つまり無能になるレベルまで昇進する」という考え方です。

具体的には、ある職務で優れた成果を上げた従業員は、その実績を評価されて昇進します。

しかし、昇進後の職務が以前の職務とは異なる能力を必要とする場合、
うまく適応できず、結果として「無能な」状態に陥ってしまうことがあるのです。

誤った昇進判断が組織文化やパフォーマンスに与える影響

不適切な昇進が行われると、組織全体に以下のような悪影響が生じる可能性があります。

  • ・部下のモチベーション低下   :適切な指導やサポートができないリーダーのもとでは、部下のやる気は低下してしまいます。
  • ・意思決定の遅れと混乱     :リーダー自身が自信を持って判断できないと、意思決定が遅れたり、誤った方向に進んだりするリスクが高まります。
  • ・組織全体のパフォーマンス低下 :リーダーがその役割を果たせないと、チーム全体の効率が低下し、結果として組織全体の目標達成が困難になります。


実例: 昇進の判断ミスが組織を危機に陥れたケース ある企業での事例をご紹介します。

その企業では、営業部門でトップの成績を誇るセールスパーソンを、営業部長に昇進させました。
しかし、彼は優れたプレイヤーではありましたが、チームを率いる管理職としてのスキルは不足していました。

結果として、チームメンバーとの関係構築に苦労し、チーム全体の売上は前年比で30%も減少。
彼自身も大きな精神的ストレスを抱え、休職を余儀なくされました。

これは、多くの企業で見られる典型的な「昇進の判断ミス」の例です。
個人の営業成績と、チームを率いる能力は別物である、ということを明確に理解しておくべきでしょう。

優れたリーダーに求められる要件

では、優れたリーダーにはどのような資質が求められるのでしょうか?
ここでは、特に重要な4つの要素をご紹介します。

ビジョンを示す力

優れたリーダーは、組織の未来像を明確に描き、それをメンバーと共有する力を持っています。
明確なビジョンがあることで、メンバーは進むべき方向を理解し、自らの役割を認識し、主体的に行動できるようになります。

コミュニケーション能力

リーダーには、自分の考えをわかりやすく伝え、相手の意見にも真摯に耳を傾ける、双方向のコミュニケーション能力が求められます。
円滑なコミュニケーションは、チーム内の信頼関係を築き、結束力を高める上で欠かせません。

的確な意思決定力

リーダーは、刻々と変化する状況の中で、常に最善の判断を下すことが求められます。
そのためには、情報を冷静に分析し、リスクを見極め、迅速かつ的確に意思決定する能力が必要です。
特に、困難な状況下では、リーダーの判断力が組織の命運を左右すると言っても過言ではありません。

動機づけし前に進む力

リーダには必ずつらい瞬間がやってきます。
それでも目的に立ちかえり、メンバーの感情に寄り添い、前に進むこと。
これの繰り返しにより、チーム内の信頼関係が強化され、成功体験を重ねることでメンバーのモチベーションやパフォーマンスの向上に繋がります。
いわゆる羅針盤としてビジョンを打ち出し、コミュニケーションをとりながら前に進むことができるか、がリーダーとして重要であると言えるのではないでしょうか。


昇進の際に考慮すべき基準

昇進の人事においては、技術的なスキルだけでなく、リーダーとしての適性を見極めることが重要です。
ここでは、昇進を検討する際に考慮すべき基準について解説します。

高スキル人材 vs リーダーシップスキル人材

多くの企業では、特定の分野で高い専門スキル、もしくは成果を上げた従業員を昇進させる傾向があります。
しかし、専門スキルが高いことと、優れたリーダーであることは、必ずしも一致しません。

名選手、名監督にあらずとはよく言ったものでリーダーには、チームをまとめ、導いていくための「リーダーシップスキル」が不可欠です。
ではそんなリーダー候補(将来性)をどう見極めればよいのでしょうか?
昇進候補者の評価プロセスと方法 適切な昇進判断を行うためには、客観的で公正な評価プロセスが不可欠です。

昇進の見極め方

効果的な評価方法の例をいくつかご紹介します。現時点での評価、という意味では下記のような手法が有効です。

360度評価

上司だけでなく、同僚や部下など、多方面からのフィードバックを収集することで、対象者を多角的に評価します。

リーダーシップアセスメント

専門の評価ツールを用いて、リーダーシップスタイルや、リーダーとしての適性を客観的に測定します。

試用期間の設定

実際にリーダーとしての役割を一定期間任せてみて、その働きぶりを評価します。

ただリーダーシップというのは実は訓練や機会を与えることで作ることができるスキルの一つです。
普遍的な理論を基にリーダーシップトレーニングを実施し粘り強く接することが一番の近道かもしれません。

まとめ

リーダーの昇進における判断ミスは、組織の基盤を揺るがす大きなリスクを伴います。
そのため、昇進候補者については慎重な見極めが不可欠であり、同時に、リーダーシップスキルの育成を組織的に支援していくことが重要です。

優れたリーダーの存在は、組織の持続的な成長に欠かせません。
また子が親を見て育つように、適切なリーダーの元にはリーダーシップを持った人材が育ちやすくなります。

適切なリーダーを育て、見極め、そして組織全体で支えていくことで、皆様の組織のさらなる発展に繋がることを心より願っております。

※組織の無料診断や採用のご相談はお気軽にしてください。
 LinkedInも更新しておりますのでこちらもぜひご覧ください。
 <<代表LinkedIn>>