新卒採用コンサルティングとは?最新動向を調査
本題に入る前に、なぜ新卒採用の悩みが尽きないのか、現在の採用現場についてお話できればと思います。
近年、新卒採用の現場では、「募集をかけても思ったほど応募数が集まらない」「書類選考や面接を突破して内定を出しても辞退されてしまう」といった悩みが絶えないという声をよく耳にします。
景気や社会情勢の変化によって、学生が持つ価値観や就職観も年々変化しており、企業の採用活動はこれまで以上に複雑化しているといえるでしょう。
たとえば、企業説明会や面接で会社の魅力を十分に伝えられたと思っていても、オンライン化が進んだことで直接のコミュニケーション機会が少なくなり、学生との距離を感じやすい側面があります。
実際に学生たちは、インターネットを使ってあらゆる情報を比較検討しながら就職活動を進めているため、
企業側からすると「せっかく丁寧に説明しているのに、伝えきれない」「他社との違いをしっかり示せているか不安」と感じる場面も多いかもしれません。
また、早期化・長期化の傾向が続く採用市場では、インターンシップやオンラインのイベントが学生との最初の接点になるケースが増えています。
こうした状況に慣れていない企業では、どのタイミングでどのようにアプローチすれば効果的なのかが分からず、計画作りに苦労することもあるでしょう。
さらに、学生たちの選考スピードや応募先の同時進行数が増加していることで、「一度は興味を示していた学生が突然応募を辞退」してしまうといったケースも散見されます。
このように、一つのやり方が長く通用しにくくなった現在、採用担当者の負担は増すばかりです。
「もっと早くエントリーしてほしい」「より多くの学生に興味を持ってほしい」と思っていても、単に求人を増やすだけではうまくいかない難しさがあります。
こうした背景を理解し、新たな視点や手法を取り入れていくことが、新卒採用の成果を高めるための鍵と言えるでしょう。
Contents
新卒採用コンサルティングとは?サービス内容を解説
新卒採用コンサルティングとは、採用に関する課題を整理し、企業の目標や方針に沿ったかたちで解決策を提案し、実行を支援するサービスです。
従来は、採用計画づくりや求人広告作成、面接ノウハウの提供など、いわゆる「選考プロセスを効率化する」役割が中心でした。
たとえば、どの媒体に求人を出すと効果的か、どのようなスケジュールで面接を組めば優秀層を取りこぼしにくいかといった視点を企業と共有し、実務レベルのサポートを行うイメージです。
しかし、近年のコンサルティングサービスは、それにとどまりません。
学生の価値観が多様化し、採用活動のオンライン化も加速するなかで、ブランディングやダイレクトリクルーティングといった、一歩踏み込んだ取り組みが注目を集めています。
ブランディングでは、企業理念やビジョン、働き方や社員の考え方を整理して発信し、学生から「自分が活躍できそうな会社」「一緒に成長したい会社」と感じてもらう工夫を行います。
写真や動画、SNSなどを使った情報発信を総合的にプロデュースしてくれるコンサル会社も存在し、学生が最初に触れる企業イメージをグッと高めることが期待できるでしょう。
さらに、従来の「待ちの姿勢」で集まる応募だけではなく、企業が欲しい人材に直接アプローチしていくダイレクトリクルーティングの手法も普及しています。
特に、オンライン上での交流やスカウトメール、オンライン説明会などを組み合わせることで、学生の興味関心を早期に獲得し、説明会や面接へ誘導するといった流れが可能となりました。
こうした施策は大手企業だけでなく、限られたリソースのなかで多様な学生を採用したいと考えている企業にとっても、有益な選択肢となり得ます。
このように新卒採用コンサルティングは、企業と学生のマッチングを最適化するために、さまざまなノウハウや手法を提供します。
採用担当者が兼務などで多忙なケースでも、実務を伴走するかたちでサポートしてくれるため、成果を出しやすいのも大きな魅力と言えるでしょう。
活用が進むテクノロジー
近年、テクノロジーを活用した採用手法が急速に広がっています。
特にオンライン面接は、遠方の学生や時間の都合が合わない学生とも対話できる利便性の高さから、多くの企業が導入を進めています。
コロナ禍で一気に浸透したイメージがありますが、その後も柔軟な選考スケジュールを組める手段として定着しつつあります。
オンライン面接を導入することで、会場の手配や学生の移動負担が軽減され、双方にとって効率的な接点となるでしょう。
さらに、AIやビッグデータを活用した選考支援ツールも注目度が高まっています。
たとえば、大量のエントリーシートをAIでスクリーニングし、企業が求める人物像に近い学生を抽出するといった仕組みが既に運用されているケースがあります。
これにより、書類選考の手間を大幅に削減しながら一定の客観性を保てるのがメリットです。
オンライン面接の映像や発言内容を分析してフィードバックを行うシステムも登場しており、面接官が見落としがちなポイントや評価バイアスを補正する役割が期待されています。
もちろん、テクノロジーを使う際には導入や運用の負担、データの正確性や個人情報保護などの課題も考慮が必要です。
とはいえ、採用活動の効率化や応募者とのスピーディーなコミュニケーションを実現できる点は大きく、これまで工数がかかっていた部分を最小化できる可能性があります。
コンサルティング会社によっては、オンライン面接のガイドライン作成やAI面接の活用方法を具体的にレクチャーするサービスを提供しているところもあります。
新しい手法への移行がスムーズに進むよう、伴走型でサポートしてくれるのは大きな助けになるでしょう。
新卒採用コンサルティング市場の動向
こうした背景のもと、新卒採用コンサルティング市場は年々拡大を続けています。
少子高齢化による労働力不足や、企業の採用意欲の高まりなどから、優秀な人材を獲得するためには専門家の知見を取り入れ、採用活動を戦略的に進める必要性が増しています。
特にIT分野など成長産業では、企業同士の人材獲得競争が激化しており、従来型のアプローチだけで必要な人材を十分に確保することが難しくなっているのです。
この市場には、大手の人材サービス企業から、特定の業界や職種に特化した専門コンサルティング会社、さらにAIなど先端技術を強みに持つベンチャー企業まで、さまざまなプレイヤーが参入しています。
大手企業は総合力を強みに幅広いサービスを提供し、中小規模のコンサル会社は、ニッチな分野で高い専門性を発揮することで差別化を図っています。
たとえば、ITエンジニア採用やクリエイティブ職採用など、特定の人材層に強みを持つ会社も存在し、企業のニーズに合ったコンサルタントを選べる環境が整いつつあります。
同時に、価格競争も激化傾向にあり、低コストで基本的な選考プロセス構築を支援するサービスから、ハイレベルな採用ブランディングやデータ活用までフルカバーする高額プランまで、多様な選択肢が用意されています。
企業側にとっては、どの範囲を外部に委託し、どの部分を自社内で行うのかを見極めながら、コストパフォーマンスのバランスを検討することがポイントになってきます。
こうした市場競争のなかで、各コンサル会社が独自のノウハウや新しいテクノロジーを活用したサポートを打ち出しており、導入企業の選択肢はますます広がっていると言えるでしょう。
新卒採用コンサルを導入するメリット
新卒採用コンサルを導入するメリットは、まず「採用担当者の業務負担が軽減される」点にあります。
エントリー数の管理や面接調整、応募者への連絡対応など、採用業務は想像以上に細かいタスクが山積みです。
専任のコンサルタントが全体のスケジュールを組み立て、学生とのコミュニケーションで起こりやすいトラブルやタイムロスを回避するノウハウを提供してくれるため、担当者の負担は大きく削減されるでしょう。
また、新卒採用における最も大きなリスクの一つとして挙げられるのが、入社後のミスマッチや早期離職です。
学生が求めている職場環境やキャリアビジョンと、企業が提供できる役割や育成方針との間にずれがあると、入社後にギャップを感じてしまう原因となります。
コンサルを導入すると、採用ブランディングによって自社の魅力やビジョンを明確に伝えるだけでなく、選考プロセスで「学生の潜在的な希望」や「適性」を可視化する取り組みが可能になります。
結果的にマッチ度の高い学生を採用しやすくなり、定着率を高める効果も期待できるのです。
さらに、オンライン面接やAI活用をはじめとする新技術の導入支援も大きなメリットです。
従来の対面中心の採用フローでは、どうしても「何度も日程調整をしなければならない」「同じ説明を繰り返さなければならない」といった負担が伴います。
これをオンライン化やシステム化で解決できれば、より多くの学生とスピーディーに接点を持ちながら、データを基に効果測定ができる体制が整います。
こうした取り組みは、一定の初期設定や社内教育が必要ですが、コンサル会社のサポートがあれば着実に導入を進めることができるでしょう。
新卒採用を成功へ導くために
今後、新卒採用においてはジョブ型採用やダイバーシティの推進、学生が重視するワークライフバランスへの配慮など、多様化したニーズへの対応がますます求められると考えられます。
社会の変化やテクノロジーの進歩は加速度的に進んでおり、一度の成功体験にとらわれず、常に新しい手法や考え方を試みる姿勢が必要です。
そうした変化の中で、採用担当者がすべてのトレンドを把握し、戦略をアップデートし続けるのは容易ではありません。
ここで新卒採用コンサルティングの存在意義が改めて浮かび上がってきます。
外部のプロフェッショナルと協働することで、最新情報や成功事例に基づいた戦略を短期間で学び、自社に適応させられるからです。
コンサル会社によっては、ジョブ型採用の制度設計や、オンライン説明会の運営ノウハウ、学生の志向を可視化するアセスメントツールの提供など、ピンポイントな課題にも対応できるサービスを展開しています。
採用計画の策定から内定者フォロー、研修企画まで一貫して支援を受ける企業も増えており、「自社だけでは実行が難しかった取り組みが実現できた」という声が多く聞かれます。
最終的に重要なのは、「どんな人材と一緒に成長していきたいのか」という企業独自のビジョンを明確にし、それを学生に伝え、納得して入社してもらうことです。
そのプロセスを効率化しつつ、質を高めるためのパートナーとして、新卒採用コンサルティングの活用を検討してみるのは非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
これからも採用市場は刻々と変化していきますが、企業としての軸をしっかり持ち、それを支える専門家の知見を取り入れていくことで、より良い採用活動を実現していただければと思います。
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