指示待ち部下を動かす方法には、表彰制度による能動性の後押しや、本音でのコミュニケーション、評価制度の明確化などがあります。

しかし、「ある条件」が整えずにメソッドだけを実践しても、効果はありません。

実は、指示待ち部下に悩んでいる職場では必ずと言っていいほど、この条件が見落とされています。

塔筋 大樹

本記事では、この必須条件に加え、指示待ち部下を動かすための「最短かつ最良の方法」をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください!

【監修者】
株式会社Tsumugu 代表 塔筋 大樹
リクルートを経て、2023年よりアド・イーグルHD役員へ。同年、株式会社Tsumuguを設立。10年以上の経験を通じたHR領域のプロとして、「お客様と伴走する人材コンサル」を展開している。

Contents

指示待ち部下を動かす「不可欠な条件」

実は、指示待ち部下を動かすためには「とある土台」が不可欠です。

その条件とは、以下の5点。

指示待ち部下を動かす必須条件

1. なにを
2. なんのために
3. なにを優先して
4. どこまで達成すべきなのか
5. 1~4が明確になり、チームに共有されていること

単なる目標設定ではありません。5つの項目すべてが満たされていることが条件となります。

この基礎がないと、どんなメソッドを用いたところで効果は薄くなり、場合によっては指示待ちを悪化させかねません。

こうした土台が必要なのは、指示待ち部下が持つ大きな特徴と、指示待ち問題の複雑さにあります。

 

指示待ち部下が持つ最大の特徴

本記事では、指示待ち部下を以下のように定義します。

「自分で考えて行動することが苦手であり、与えられた指示以上の業務を能動的に行わない部下」

指示待ち部下にはいくつかの共通項がありますが、最大のネックとも言える特徴があります。

それは、「指示待ちである自覚がなく、仮に自覚があっても指示待ち状態を自ら変えられるだけの経験値がないこと」

指示待ち部下は、新人だったり、社歴の浅い人に多い傾向があります。よって、本人の志向と経験だけでは、指示待ちのクセを変えられないのが基本。

塔筋 大樹

経験が浅いからこそ、目的・目標・基準などを共有し、自走できる環境を整備しなければいけません。

明確な方針や基準がないままでは、1on1などを導入しても、施策の真価を発揮できないのです。


指示待ち部下の放置=損失

では、自ら変わることが難しい指示待ち部下を放置した場合、どうなるのでしょうか?

答えは「損失の拡大」です。

ここで言う「損失」とは、「指示待ち部下が能動的になるメリット」と、「放置したときのリスク」の高低差を指します。

指示待ち部下が能動的になるメリット

・上司の時間や思考に余裕が生まれる
・部下がチームの士気へ貢献できる
・成功例が生まれ、他の指示待ち部下も改善できるようになる

指示待ち部下を放置したときのリスク

・上司の時間と労力を奪う
・チームや組織の士気を低下させる
・指示待ち部下が教育担当になると、新たな指示待ち部下を生み出してしまう

これらメリットとリスクの差が、「本来なら利益や生産性の向上に使えるはずだった時間と労力」を無駄にし、実質的な損失を発生させるのです。

この損失は、時間に比例して拡大。指示待ちを改善できる組織と、できない組織では、数年後の姿に圧倒的な差がついてしまいます。

放置すればするほど損失になる以上、指示待ち部下の問題は、一刻も早く改善しなければいけません。

ですが、改善には大きなハードルがあるのです。


指示待ち人間を自社だけで変えるのは困難

指示待ち問題を放置すると損失が積み上がっていくため、早期の改善は必須。

しかし、指示待ち部下を自社だけで変えることは難しいのです。

塔筋 大樹

実際、私はHRコンサルを通じ「指示待ち人間に悩みながらも、改善できずにいる組織」を山ほど見てきました。

これほどありふれた問題を、自社だけで解決しづらいのは、理由は3つあります。

指示待ちを自社だけで解決しづらい理由

① 部下を変えたくても「他人は変えられない」
② 上司と部下の認識は常に食い違う
③ 本音を話せる社員は少ない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

指示待ち人間を変えたくても「他人は変えられない」

「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」

多くのビジネスパーソンが、一度は聞いたことがあるでしょう。カナダの精神科医、エリック・バーン氏の名言です。

ですが、指示待ち部下に悩んでいる上司やOJT担当は、ついついこの原則を忘れ、「部下という他人を変えること」に固執してしまいます。

これは指示待ち問題だけでなく、管理職や教育担当が陥ってしまう、ありがちな罠。ハッとした方も多いのではないでしょうか?

基本中の基本でありながら、百戦錬磨の経営者やコンサルタントでも引っかかることがある原則ですので、日頃から意識するのがオススメです。

 

【事例】上司と部下の認識は常に食い違う

上司と部下、また経営層と現場の認識は、放っておくと食い違うのが自然です。

理由は、経営者・管理職・現場の従業員では、それぞれ見ているものや重視する観点が異なるため。

塔筋 大樹

立場が違えば、価値観もズレるのは当たり前ですよね。

ですが、認識のズレを「常識として知っていても、実感したことはない」という管理職は実に多いのです。

まずは上司が十分だと思っているはずの「指示内容の実態」から見ていきましょう。

指示が十分ではないと感じる社員
あまり十分ではない28.3%
まったく十分ではない7.8%
総計36.1%
出典元:株式会社SMB『【上司と社員のコミュニケーションギャップ調査】約4割が「指示や情報伝達に不満あり」認識の齟齬により取引先への契約不履行となったケースも』(2024)

上記の数値はインターネット調査による回答であり、あくまで多数の企業を含めた平均値です。

実際にコンサルとして個別に現場を見ていると、組織全体でコミュニケーションが破綻しているケースも少なくありません。

弊社のお客様に対し、会社が抱えている各課題への意識を調査したところ、たとえば以下のようなズレがありました。

経営層が考えている課題
人材育成について育成の重要性が共有されていない
人事評価について管理職による人事評価の制度運用に問題あり
部署間の摩擦について部署間の連携が不足している
出典元:弊社の聞き取り調査から表を作成
現場の従業員が感じる課題
人材育成について評価基準・相談先・マニュアルなど育成体制が根本的に未整備
人事評価について管理職や評価担当が現場を見ておらず、コミュニケーションもない
部署間の摩擦について部署別の行動規範が不明確で、課題の解決が現場に丸投げされている
出典元:弊社の聞き取り調査から表を作成

このほか、弊社で実施した綿密なヒアリングからは、20項目を超える深刻な認識ギャップが浮き彫りとなりました。

会社の規模が大きくなればなるほど、認識のズレは大きく、また深刻化しやすくなります。放置していると、やがては致命傷となりかねません。

よって、ズレを解消すべく、一刻も早く現場の意見を吸い上げなければいけないのですが、ここで立ちはだかるのが「本音を話せない」という問題。


本音を話せる社員は少ない

「指示待ち部下に1on1を実施しても効果が出ない」という組織は少なくありません。

主な原因は、上司と部下の間に十分な信頼関係がないこと。特に指示待ち部下は、叱責に対する恐怖心が強い傾向にあります。

「こんなことを言ったら、怒られるのではないか?」
「自分の本音は、上司や会社の意にそぐわないのでは?」

こうした不安が、上司や同僚に対する心理的な壁を作り出すのです。

実際、パーソル総合研究所が実施した調査には、職場で本音を打ち明けている社員がいかに少ないかが表れています。

本音で話せる社員の割合
「本音で話せる相手が職場いない」と感じる社員50.8%
「メンバーが本音で話せている」と感じる社員23.6%
出典元:パーソル総合研究所『職場での対話に関する定量調査』(2024)

自社だけで指示待ち問題を解決しづらい理由のひとつは、社員が本音を話せない環境により、部下の悩みを聞き出せないという障壁にあるのです。


指示待ち部下を改善する最強の方法

ここで、指示待ち部下を動かすための条件と、指示待ち問題の難しさについて整理してみましょう。

指示待ち部下を動かす条件と障壁
条件①なにを、②なんのために、③なにを優先して、④どこまで達成すべきなのかの明確化・共有
重要性指示待ち部下の放置 ⇨ 実質的な損失へ
障壁自社だけで解決するのは困難

ここまでご覧になった方は、指示待ち部下という悩みが氷山の一角でしかなく、実は想像よりも深刻で根深い問題だと感じたのではないでしょうか。

ですが、すべての問題を解消し、あなたの組織をぐっと成長させる最短かつ最良の方法があります。

それは、豊富なナレッジを持つ人材コンサルを使うこと。

弊社Tsumuguは、お客様の社員と徹底的にコミュニケーションし、現場の本音をキャッチアップ。管理職と部下の認識ギャップを解消し、エンゲージメントの高い職場づくりへ尽力します。

社内の人には言えない本音も、第三者が相手だと冷静に話せるケースは多く、「直に文句をぶつけ合う」といった口論のリスクも避けることができます。

塔筋 大樹

まずは無料で、お悩みやご希望をお聞かせください。一緒に組織を成長させていきましょう!

今すぐ指示待ち問題の解決へ!


指示待ちを悪化させるNGパターン3選

ここまでは、指示待ち部下を動かす必須条件や、自社だけで解決する難しさについてお話しました。

一方、指示待ち問題には、やってはいけない対処法も存在します。

指示待ちを悪化させる3パターン

① マイクロマネジメント
② 高圧的な対応
③ 信頼関係のない一方的な指示

自社が当てはまっていないか、しっかりチェックしていきましょう!


マイクロマネジメント

マイクロマネジメントとは、部下の行動をくまなく監視し、ほんの細部まで指示する過干渉な管理方法。

塔筋 大樹

「気づいたら、部下にすべての行動を報告するよう求めていた」なんてこと、ありませんか?

マイクロマネジメントは、指示待ち部下に対し思わずやってしまいがちな手法で、無意識に陥っている管理職も少なくありません。

ですが、過干渉なマネジメントは、どんな人の自発性も減退させ、士気や生産性の低下につながってしまいます。

各社の調査でも、過干渉の頻度と悪影響が指摘されています。

マイクロマネジメントの割合と悪影響
会社が過干渉だと感じる社員46.3%以上(※1)
管理職が過干渉だと感じる社員32.5%以上(※1)
過干渉で士気が下がると感じる社員68%~85%(※2,3)
過干渉で生産性が下がると感じる社員55%~71%(※2,3)
※1 出典元:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ『「会社や上司からの管理に関する意識調査」の結果を発表』(2024)
※2 出典元:メキシコビジネスニュース『Micromanagement Takes Toll on Productivity, Reveals Survey』(2023)
※3 出典元:TTI SUCCESS INSIGHTS『How Does Micromanagement Affect Employees?』(2024)

このほか、メキシコビジネスニュース、およびTTIの記事では、マイクロマネジメントが従業員のストレスやバーンアウト(燃え尽き症候群)にもつながると指摘されています。

こうした悪影響は離職率の増加につながり、将来的な採用コストまで増やしかねません。

マイクロマネジメントは、思いつきやすいがゆえに陥りがちですが、最悪と言ってもいい手法のひとつ。

指示待ちに悩みすぎて過干渉に陥っていないかどうか、定期的に振り返りましょう。


高圧的な対応

過度な叱責は、部下を硬直させるだけでなく、信頼関係をも破壊します。

これは、常識あるいは経験として「頭ではわかっている」ことでしょう。

間違った部分を指摘することは、悪いことではありません。「適切に訂正してくれたら、自分のパフォーマンスはもっと上がる」と考える従業員は多いという調査もあります。
(ZENGER FOLKMAN『Feedback:The Powerful Paradox』(2019))

問題は、フィードバックや対応の仕方が「高圧的・攻撃的になっているかどうか」

高圧的・攻撃的な態度と悪影響
過去3年位内でパワハラを経験した人31.4%(※4)
パワハラのうち「侮辱・暴言など」の割合49.4%(※4)
信頼されない上司ワースト1位は「高圧的な言動」38.8%(※5)
※4 出典元:厚生労働省『ハラスメントに関する施策及び現状』(2024)
※5 出典元:マンパワーグループ『上司と部下が職場で感じるギャップを調査!信頼される上司、信頼される部下の人物像とは』(2020)

高圧的な態度や攻撃的なフィードバックは、指示待ちを悪化させ、部下の体調不良やハラスメント問題にもつながります。

マイクロマネジメントと並び、組織の成長を妨げる行為だと考えましょう。

 

信頼関係のない一方的なコミュニケーション

指示待ち部下の改善には、信頼関係が必須です。

冒頭の「不可欠な条件」を満たしているのは大前提ですが、最終的には指示待ち部下に対し、1on1などを用いて個別の指導をする必要があるからです。

しかし、「社内の人には言えない本音」でお話したように、本音を打ち明けてくれる社員は平均でも50%以下。

塔筋 大樹

指示待ち部下は、本音を隠す傾向がさらに高まります。

信頼関係のない一方的な指示は、社員のエンゲージメントを低下させ、士気・生産性の低下や、離職率の増加につながります。

「上司と部下の認識は常に食い違う」の項目でも示したように、普段からコミュニケーションがないという職場も少なくありません。

信頼関係のない状態で個別の指導をしても効果はありませんので、まずはコミュニケーションや部下への心理的なサポートが十分かどうかチェックしましょう。

 

指示待ち部下を再理解!

これまで、指示待ち部下の対処法に的を絞ってお話してきました。

ところで。指示待ち部下のこと、本当にご存じですか?

外部から見た印象は、現場で指示待ちに悩んでいる人が知り尽くしているでしょう。指示待ち部下の特徴は、言われずとも認識しているはず。

塔筋 大樹

一方、指示待ち人間の心理や原因についてはいかがですか?

実は、管理職にも指示待ち部下と共通の心理があったりもします。

指示待ち部下を動かしたいと思う方は、このパートも必読です。


指示待ち人間の心理とは?

「指示待ち部下はなにを考えているのか?」と言えば、主には以下の3つ。

指示待ち部下の心理①

・責任を負いたくない
・失敗したくない
・叱られたくない

指示待ち部下の中では、こうした心理が特に強い傾向にあるとされています。

これらが、以下のような流れで指示待ちにつながるのです。

指示待ち部下の心理②

・指示に忠実であれば、責任は「指示を出した人」に転嫁できる
・指示に従えば、失敗の可能性を抑えられる
・指示に忠実になることで、叱られる可能性が低くなる
メリットが大きいからこそ、指示を待つ

利己的なように見えますが、指示待ち部下は「余計なことをするな」と叱られることにも強い抵抗感を持っています。

「失敗を回避するために、正しい指示を待つ」というのは、指示待ち本人の中では合理的な判断でもあるのです。

なぜ、部下はこのような心理に陥るのでしょうか?


指示待ち心理が生まれる原因

指示待ち部下は、生まれたときから指示待ちだったわけではありません。

責任・失敗・叱責に強い抵抗を持っているのは、現在の職場で働くまでの多様な背景が絡み合っています。

指示待ち心理の原因例
責任回避責任を負って失敗した経験
失敗回避失敗が過度な叱責につながった経験
叱責回避過度に怒られた経験・トラウマ

責任・失敗・叱責に対する抵抗感は、独立しているわけではなく、複数の原因が紐づいて強くなっているのです。

また重要なのは、指示待ちの心理が部下にのみ当てはまるわけではないこと。


上司にも共通する「指示待ち人間の心理」

「失敗したくない」
「ひどい叱責を受けたくない」

指示待ち部下に悩んでいる上司や教育担当であっても、こうした共通の心理を持っていることがよくあります。

誰だって、できることなら失敗も叱責も避けたいもの。

経営層から「もっと成果を上げろ」「改善しろ」と圧をかけられている場合、管理職も心身に余裕がなくなります。

すなわち、実は会社全体が、指示待ちに陥っている可能性もあるのです。

 

指示待ち人間が蔓延する会社の特徴

体感として、指示待ち人間が少数ではなく「多くいる」と感じる場合、原因は組織の風土や体質にあるかもしれません。

実際、管理職も含めて過半数の社員が指示待ち状態に陥っている企業は多く存在します。

指示待ち人間が蔓延する会社の特徴

① 指示待ちの解決方法がわからない
② 改善できた例がない
③ 原因を特定する仕組みがない
④「指示を待つほうが得」な人事評価がある

詳細を解説しますので、ひとつでも心当たりがある方は、必ずチェックしてください。


解決方法がわからない

当たり前の話ですが、具体的な解決方法がわかっていたら指示待ち問題に苦労はしません。

しかし、指示待ち部下はありふれた問題にもかかわらず、具体的な施策を記載しているWebサイトは少ないのが現状です。

理由は「それぞれの現場にカスタマイズしなければいけないから」なのですが、詳しくは後述します。


改善に成功したことがない

成功例がないのも、指示待ち人間が蔓延する原因のひとつ。

指示待ちを改善できたというナレッジが自社に存在しないため、指示待ち部下が放置され、さらなる指示待ち部下が増えていく構造です。

「指示待ち部下が、さらなる指示待ち人間を増やす」ことについては、前半で説明しています。気になる方は読み返してみてくださいね。


原因を特定する仕組みがない

リーダーが指示待ち部下の悩みをキャッチアップできていないがために、施策の効果が出ていないケースも多数あります。

前半の事例でもお話しましたが、上司や経営層と、現場の社員の認識は食い違うのが自然。

認識のズレを可視化する体制がないと、部下が指示待ちになっている真の原因は特定できず、せっかくの対策もムダに。

それどころか、的外れな施策は部下の不信感を高め、指示待ちの悪化や、離職率の増加につながることもあります。

指示待ち部下の問題が属人化していないかどうか、自社を振り返ってみましょう。


「指示を待つほうが得」な人事評価

会社全体に指示待ち人間が蔓延している場合、実はこの特徴を持つケースが非常に多かったりします。

「指示を待つほうが得」な例

・社長がワンマンで、トップダウンの傾向が強い
・幹部に気に入られることが、昇進の実質的な要件になっている
・職場の心理的な安全性が確保されていない

こうした特徴は、経営者を除く全員を指示待ち傾向にしてしまいます。

指示待ち部下に悩んでいる管理職であっても、「実は経営層の顔色をうかがって仕事をしている」ケースが少なくありません。

指示待ちにメリットを感じてしまう特徴が組織内にある場合、個別で部下を指導しても根本的な解決にはなりません。組織全体の改革が必要になります。


会社が指示待ちを助長している場合の対処法

組織が指示待ちを助長している場合、まず経営陣に自覚を持ってもらう必要があります。

そのうえで、指示待ち部下を改善する「不可欠な条件」を整備し、人事評価を調整していかなければいけません。

現場だけでなく、全社的な協力が必要になるのです。

しかし、組織改革は一朝一夕で達成できるものではなく、柔軟性に欠けた状態を自社だけで改善するのは困難。管理職も、人事や経営陣には提案しづらい心境があるでしょう。

現場だけで解決できないことは、プロに委託することが近道。

自分からは言い出しにくいことでも、我々のような第三者が介入すると、人事や経営層に提案するハードルもぐっと下がるからです。

弊社はお客様と伴走し、経営層・管理職・現場の従業員それぞれから意見を吸い上げ、全社的な信頼構築へ貢献することに強みを持っています。

「自分では変えられない」と感じることも、第三者を交えると解決できます。ぜひご相談ください!

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指示待ち人間が少ない会社の特徴

これまで、指示待ち部下の動かし方や、指示待ち人間の再理解、また失敗例などを提示してきました。

逆に、「能動的で余計なこともしない社員」が多い会社は、どんな特徴があるのでしょう?

指示待ち人間が少ない会社の特徴

① 目的意識を共有している
② 明確で客観的な評価制度
③ 心理的に安全なコミュニケーション

④ 指示待ち問題の早期解決

ここからは、理想的なイメージの側面から、指示待ちの解決方法を探っていきましょう。


目的意識の共有

冒頭の「指示待ち部下を動かすのに不可欠な条件」でもお話しましたが、社員が能動的に動くためには、目的意識の共有が必須です。

目的意識を共有する例

・ MVV(ミッション・バリュー・ビジョン)の策定
・ MVVの浸透
・ 「なにを、なんのために、なにを判断基準として、どこまで達成するか」の明確化
・ 定期的なコミュニケーションにより、目的意識を共有し直す

ここで重要になるのが、MVV。

「指示待ち部下を動かす必須条件」が真価を発揮するためには、チームや個人の目的・目標設定が、組織の方針と結びついていなければなりません。

また、目的や目標の設定はどんな関係でも実践できますが、MVVをどう策定するかは経営者の意思が必要です。

組織全体が一貫した目的意識を持つことで、指示待ち文化や、指示待ち部下の改善もしやすくなるのです。


明確で客観的な評価制度

コンスタントに成長を続けている企業は、人事評価が明確かつ客観的で、属人的でない傾向にあります。

成果主義にデメリットがないわけではありませんが、「社長や管理職に気に入られないと昇進できない」といった属人的な文化に比べると、士気の差は歴然。

また、部署によって評価すべき指標も異なってきますので、制度の整備が手つかずの場合は、早期にプロへ相談するのがオススメです。


心理的に安全なコミュニケーション

Googleが提唱する「心理的安全性」は、社員の能動性を大きく左右します。

指示待ち部下には失敗への強い抵抗感がありますが、「どこまで失敗していいのかわからない」という不安が、失敗への拒否感を強めるのです。

「失敗してもいいんだよ」と伝えて解決すればいいのですが、現実的には、やってはいけない致命的な失敗が存在するのも事実。

塔筋 大樹

本当に取り返しのつかないことをされても困ってしまいますよね…。

ここでも、冒頭で紹介した「不可欠な条件」が関わってきます。

指示待ち部下を動かす必須条件

1. なにを
2. なんのために
3. なにを優先して
4. どこまで達成すべきなのか
5. 1~4が明確になり、チームに共有されていること

これらを明確にしておくことで、「どこまで失敗していいのか」も言語化しやすくなるのです。

高圧さを排除したコミュニケーションだけでなく、こうした環境づくりも部下の心理に安心感を与え、指示待ち問題の解決に貢献します。

いかに心理的な安全性を高められるかが、指示待ち部下を動かす鍵でもあるのです。


指示待ち問題の早期解決

能動的な社員が多い会社は、指示待ち部下を放置せず、一刻も早く改善する志向を持っています。

指示待ちが改善されることのメリットや、放置することのリスク、またこれらによる実質的な損失を知っているからです。

指示待ち部下や、指示待ちを助長する文化は、組織に将来的な損失を与える要素と言っても過言ではありません。

現状で指示待ち問題を認識している場合は、1秒でも早く解決することが肝要です。


【事例】リクルートの指示待ち解決方法

「リクルートに指示待ち部下なんているの?」と感じる方もいると思います。とはいえ、最初から全社員が能動的という会社もありません。

リクルートは徹底的な成果主義の文化を持ち、社員の積極性を後押しする施策に事欠きませんので、事例として一部をご紹介します。

指示待ち改善に関連する文化・施策

① 役職名ではなく名前で呼び合う
② 表彰の頻度がとてつもなく多い
③ 社員ごとに個別の目標設定シートがある


役職名ではなく名前で呼び合う

リクルートでは、上司を役職名で呼びません。「〇〇さん」と呼びます。

上司が部下を呼ぶときや、同僚同士でも、親しみをこめた呼び方がごく当たり前になっています。

塔筋 大樹

私は苗字が「塔筋(とうすじ)」だからか、リクルート時代は「ジースー」と呼ばれていました!

どうして「部長」「社長」などと呼ばないのか。それは、管理職も含めた全社員の心理的な距離を縮めるため。

コンサルとしてお客様の現場を見ると、「上司と従業員がまったく話さない」という職場は意外と多かったりします。信頼うんぬん以前の問題です。

長い目で信頼関係を築くためにも、コミュニケーションを発生させやすい文化が有効となります。


表彰の頻度がとてつもなく多い

表彰制度を取り入れている企業は多いでしょう。

ですが、リクルートが突き抜けているのは、社員を称える頻度。

年間単位はもちろん、半期、四半期、月次、週次など、表彰のタイミングを挙げるとキリがありません。

社員に自信をつけさせる制度を、磨きに磨き抜く。これも、指示待ちをそもそも発生させないひとつの事例です。


社員ごとに個別の目標設定シートがある

リクルートでは、各社員が、自分だけの目標設定シートを持っています。

単なる成果のためだけではありません。組織の目的やビジョンと、個人の意思や目標を紐づける狙いがあります。

このシートを初めとする施策により、組織の方針と個人の動きが大きく乱れることを防いでいるのです。

リクルートは社員の能動性を後押しするための文化や制度を山ほど実践しています。この土壌と積み重ねが、圧倒的な成果を実現しているのです。

ただし、これらはあくまでリクルートに最適化された施策。本当に重要なのは、自社の現状に合わせた施策であることを忘れないようにしましょう。


指示待ち部下の動かし方に再現性は?

ここまでご覧いただいた方は、指示待ち部下の改善に強い関心を持たれているはず。AIに質問してみたり、他のWebページなどもご覧いただいたかもしれません。

そこで、こう感じませんでしたか?

「理論はわかった。で、その理論はうちの会社でも再現できるの?」

指示待ち部下に関する記事の多くは、基本的に理論の紹介にとどまり、根本的な解決策を現場の行動レベルで示していません。

本記事も、できる限りの具体性を追求していますが、理論にとどまっていると感じた方も多いでしょう。

その理由は、「どの企業でも通用する魔法の解決策」が存在しないから。

具体的な行動を列挙しても、その施策があなたの職場で通用するとは限りません。

再現性は各企業によって違い、間違った施策を講じるとかえって状況を悪化させてしまうからこそ、我々は安易に具体的な行動を発信できないのです。

しかし、再現性の壁を乗り越える手段はあります。


指示待ち組織を変える鍵は「自社に合わせた施策」

一定の共通性はあれど、指示待ち部下や組織が的確に変わるためには、自社にカスタマイズされた最適な施策が必要となります。

たとえ目指す理想像が同じであっても、ネックになっている原因が異なれば、対処法も変えなければいけません。

自社に合わせた施策を用意するには、以下の4ステップが重要になります。

STEP

指示待ちの原因を特定する

STEP

最適な改善策を検討する

STEP

必要であれば、人事や経営層にも協力してもらう

STEP

コミュニケーション上の問題は1on1などで個別にアプローチ

やってみるとわかりますが、これは非常にカロリーの高い工程です。通常業務と並行して実施するのは無理があるでしょう。

もし自社だけでこれが達成できるのなら、今ごろ、指示待ち部下のことで悩んではいないはず。

無料相談を通じて悩みをお聞かせいただければ、我々が問題を整理し、あなたの職場に最適な解決策もご用意いたします。

ぜひ下記のボタンから、相談の一歩を踏み出してみてください!

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指示待ち部下の指導に関するQ&A

指示待ち部下が自ら変わる可能性はありますか?

もちろんあります。
ただし、その部下に合った指導や施策を講じないと「能動的で、余計なこともしない社員」に生まれ変わる可能性は非常に低くなります。

指示待ち部下を変えるのに、どれくらいの期間が必要ですか?

ケースバイケースです。
すでに上司と部下の信頼関係が成り立っており、改善策を妨害する要素がなければ、1ヶ月で変わることもあります。一方、上司が不信感を持たれている場合など、信頼の構築から始めなければいけない場合、数カ月~半年以上におよぶこともあります。

指示待ち部下を放置し続けると、末路はどうなりますか?

最悪のケースは連鎖退職です。
指示待ち部下は、他の社員や上司から思考のリソースを奪うほか、間違ったマネジメントを誘発しやすい存在。放置するだけで連鎖退職や職場崩壊を迎えるケースは稀ですが、組織のエンゲージメントを低下させやすいため、危険性は認識しておくのが吉です。

1on1で指示待ち部下と腹を割って話すには、どうすればいいですか?

指示待ち部下は不満や悩みがあっても、本音を隠す傾向にあります。
また、1on1はあくまでひとつの手段に過ぎません。1on1で改善できていないと感じる場合、信頼関係が不足している以上に、より優先すべき施策があるかもしれません。ぜひ弊社にご相談ください。

指示待ち部下への対応に、コーチングスキルは必要ですか?

必須ではありません。
コーチングできるに越したことはありませんが、本記事でも紹介したように、個別の指導では効果が薄い場合もあるからです。原因の究明と、状況に合わせた施策のほうが重要度は高いと言えます。


指示待ち問題の根治には現場と経営層の連携が必要!

組織全体で指示待ち人間を減らすためには、現場と経営層の意思疎通がなによりも重要。そこに貢献するのが「第三者の目」です。

指示待ち部下を個別に改善できたとしても、社内に指示待ちを誘発する文化があると、新たな指示待ち部下はいくらでも生まれます。

そのたびに現場だけで対応するのは、非常に生産性が低く、管理職や教育担当の心身も疲弊していくでしょう。

指示待ち部下に限らずですが、「なにが真の問題か」は、内部から見るとわかりづらいもの。人材コンサルとして、組織改革には第三者の介入が実に有効であると、自信を持って言えます。

弊社Tsumuguは、本音のキャッチアップを通じたコミュニケーションや信頼構築の後押しを強みとし、お客様と伴走しながら「組織の自走化」を支援する人材コンサル。

指示待ち部下のお悩みに関しても、お客様にカスタマイズした最適な施策をご用意いたします。ぜひご相談ください!

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