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【28卒採用】6月から始める、中小企業のインターン3ステップ設計
27卒の内定承諾が一段落して、ふと我に返る時期かもしれません。「28卒、そろそろ動かないと出遅れる」——そう感じている採用ご担当の方も多いのではないでしょうか。
ただ、いざ動こうとすると手が止まります。サマーインターンをやるべきなのは分かる。でも、いつまでに、何を、どう設計すればいいのか。大手のように凝ったプログラムを組む余力もない。
この記事では、人員も予算も限られた中小企業が、6月からのサマーインターンを「3ステップ」で設計する方法を整理します。大手の真似をするのではなく、中小企業だからこそ勝てる設計の順番をお伝えします。
目次
28卒採用で中小企業が先手を取るには、今が最後のタイミングです
まず前提として、28卒の採用カレンダーを確認しておきます。2028年4月入社の28卒は、今この時期(2026年5月末〜6月)に早期選考・サマーインターンの設計フェーズに入っています。内定はまだ先で、いま動くべきは「学生との最初の接点づくり」です。
なぜ今が「最後のタイミング」なのか。理由はシンプルで、大手企業が6月にインターンを一斉解禁するからです。6月を過ぎると、学生の関心とスケジュールは大手のプログラムで埋まっていきます。中小企業が学生と接点を持つなら、その波が来る前に動くか、波の中で見つけてもらう工夫をするかの二択になります。
さらに、学生側の情報収集の早さも見逃せません。マイナビキャリアリサーチLabの調査(2026年5月公開)によると、就職活動でAIを利用したことがある2027年卒の学生は82.7%にのぼり、前年から18.3ポイントも上昇しています。
これが意味するのは、学生による企業比較が、かつてないスピードで進むということです。学生はAIに「中小企業 ホワイト 探し方」と聞き、口コミを横断的に集め、説明会に来る前から企業を絞り込んでいます。情報を出すのが遅い会社は、検討の土俵にすら乗りません。
少し前までは、学生が企業を知るルートはナビ媒体と説明会が中心でした。今は違います。学生は手元のAIに相談し、SNSで社員の様子を確認し、複数社を並べて比較した状態で接点を持ちにきます。つまり、「まだ知られていない」ことのリスクが以前より大きくなっているのです。
ここで多くの中小企業がやってしまうのが、「とりあえず媒体に出して待つ」という動きです。応募が来ないと「広告が足りないのでは」と、さらに媒体を増やす。気づけば媒体費だけがかさみ、何が効いているのか分からなくなる——よくある悪循環です。
私たちが現場で大切にしているのは、この発想を逆にすることです。「採用がうまくいかない → 広告を出す」ではなく、「採用がうまくいかない → まず自社の接点と魅力を棚卸しする」へ。28卒のインターン設計は、まさにこの棚卸しから始める絶好のタイミングです。
だからこそ、完璧なプログラムを待つ必要はありません。「日程と場所を確定する → プログラム内容を決める → 告知する」の順で、まず動ける部分から手をつけることが先手につながります。日程は、6月の大手解禁を意識して、7〜8月の実施なら今月中に枠を押さえておきたいところです。
中小企業に合うインターン、3ステップの設計
ここからが本題です。限られたリソースで成果を出すために、設計を3つのステップに分けます。順番が大事なので、上から順に進めてください。
ステップ1:規模を決める(1day型か、複数日型か)
最初に決めるのは、プログラムの内容ではなく「規模」です。ここが決まらないと、その先の中身が決められません。
判断軸は3つです。
- 採用ターゲット数:何名を採りたいのか。少数精鋭なら1day型で十分です
- 社内リソース:当日に動ける社員が何人いるか。複数日型は運営負荷が一気に上がります
- 会社の強み:現場体験で魅力が伝わる会社か、対話で魅力が伝わる会社か
判断に迷ったときは、次の早見表を目安にしてください。
| 項目 | 1day型が向くケース | 複数日型が向くケース |
|---|---|---|
| 採用ターゲット数 | 数名の少数精鋭 | ある程度まとまった人数 |
| 動ける社員数 | 限られている(1〜3名) | 当日運営に複数名割ける |
| 会社の強み | 経営者・社員との対話 | 現場での実務体験 |
| 準備にかけられる期間 | 短い(数週間で立ち上げたい) | 余裕がある |
多くの中小企業にとって、現実的なのは1day型です。複数日型は学生の満足度こそ高いものの、運営する側の負担が大きく、片手間では回りません。準備が中途半端なまま複数日型に踏み込むと、「間延びしたプログラム」になり、かえって志望度を下げてしまうこともあります。
おすすめは、「まず1dayで接点を作り、手応えがあれば次年度で複数日型に広げる」という進め方です。最初から完成形を目指さず、回しながら磨いていくほうが、限られた人員では続きます。
今週決めるべきは、この一点だけ。「1dayか、複数日か」を確定させてください。ここさえ決まれば、次のコンテンツ設計は一気に進みます。
ステップ2:コンテンツを設計する(大手の真似をしない)
規模が決まったら、中身です。ここで中小企業がやりがちな失敗は、大手のインターンを縮小コピーしようとすることです。グループワーク、ケーススタディ、洗練されたスライド——これらは大手の土俵であり、中小企業が同じ土俵で戦っても見劣りします。
中小企業の強みは、別のところにあります。
- 代表が直接登壇する:大手では会えない経営者と、学生が直接話せる
- 現場をそのまま体験させる:作られたワークではなく、実際の仕事の手触り
- 社員との距離の近さ:少人数だからこそ、本音の対話ができる
この3つは、規模が小さいからこそ提供できる価値です。「代表が全プログラムに同席し、学生の質問にその場で答える」——これだけで、大手にはない体験になります。
それぞれ、もう少し具体的に見ていきます。
代表が直接登壇する。 学生がインターンに参加する大きな動機の一つは、「働く人を知りたい」です。大手では人事担当者までしか会えないことが多いなか、経営者が自分の言葉で事業や想いを語る場は、それだけで強い印象を残します。スライドを読み上げるのではなく、「なぜこの会社をやっているのか」を10分でも語ってもらうほうが効果的です。
現場をそのまま体験させる。 作り込んだワークより、実際の業務に触れるほうが、仕事の手触りが伝わります。商談に同席する、製造ラインを見る、実際の資料づくりを手伝ってもらう——こうした「リアル」は、中小企業のほうがむしろ見せやすいものです。
社員との距離の近さ。 少人数だからこそ、若手社員と学生がフラットに話せます。「正直、入社して大変だったことは?」といった本音の対話は、学生の不安を解き、志望度を引き上げます。ここで取り繕わないことが、かえって信頼につながります。
逆に避けたいのは、大手の選考フローを縮小コピーすることです。グループディスカッションをやらせて点数をつける、といった「見極めるための場」にしてしまうと、学生は身構え、距離が縮まりません。インターンはあくまでお互いを知る場であって、選別の場ではありません。
ステップ3:終了後のフォローを設計する
意外と抜け落ちるのが、インターン終了後のフォローです。実は、ここで志望度が大きく変わります。
ポイントはスピードです。インターン終了から1週間以内に、一人ひとりへ個別の連絡を入れる。これがあるかないかで、その後の関係性がまったく違ってきます。
連絡手段は、学生の温度感に合わせて使い分けます。
- LINE:気軽な接点維持に向く。次回イベントの案内など
- メール:丁寧さを伝えたい場面。お礼や個別フィードバックなど
連絡の中身も大切です。テンプレートのお礼文を一斉送信するのではなく、「ワークでのあの発言が印象に残りました」といった、一人ひとりに向けた一言を添える。手間はかかりますが、参加者が少人数の中小企業だからこそできる差別化です。
「インターンをやって終わり」にせず、接点を続ける設計まで含めて、初めてインターンは採用につながります。秋以降の本選考や次回イベントへ、どうつなぐかまでを最初に描いておくと、フォローが場当たりになりません。

申し込みが増える、インターン告知の2つの設計
良いプログラムを用意しても、知ってもらえなければ申し込みは来ません。告知には2つの設計ポイントがあります。
告知媒体の使い分け
中小企業が使える告知ルートは、大きく2系統です。
- スカウト型:マイナビやOfferBoxなど、こちらから学生にアプローチできる媒体。母集団形成(応募者を集めること)に効きます
- 大学経由:キャリアセンターやOB・OGのネットワーク。手間はかかりますが、関心の近い学生に届きます
どちらか一方ではなく、リソースに応じて組み合わせるのが現実的です。スカウト型で広く声をかけつつ、つながりのある大学には直接アプローチする、といった形です。
スカウト型を使う場合、中小企業がつまずきやすいのは「送って返信が来ない」という壁です。原因の多くは、定型文を一斉送信していることにあります。学生は、自分宛てに書かれた文面かどうかを見抜きます。プロフィールの一行に触れる、なぜ声をかけたのかを具体的に書く——この一手間が返信率を変えます。送る数を増やす前に、まず一通の質を上げるほうが効果的です。
大学経由は、すぐに大きな母集団にはなりませんが、関心の近い学生に確実に届く強みがあります。キャリアセンターへの求人掲載や、自社の若手社員に出身大学のOB・OG訪問を受けてもらう、といった地道なルートが、中小企業では効いてきます。
告知文の書き方
告知文で学生が見ているのは、「何を体験できるのか」と「参加するとどう変わるのか」の2点です。会社の沿革や事業内容を長々と書くより、この2点を冒頭で1行ずつ伝えるほうが、申し込みにつながります。
たとえば「社員と一緒に実際の商談に同席できる」「終わったあと、自分の強みを言語化して持ち帰れる」のように、参加者目線の動詞で書くのがコツです。「当社の魅力を伝えます」という主語が会社の文章は、学生には響きません。
たとえば、弊社が伴走しているクライアント企業様では、代表が全セッションに同席する1day型インターンを設計し、「経営者と1日かけて話せる」という体験価値を前面に出すことで、少人数の定員を早期に充足できた事例があります。プログラムの豪華さではなく、中小企業ならではの体験を言語化したことが効いた形です。
なお、AIで企業を比較する学生が増えている今、告知文は人間だけでなくAIにも読まれる前提で書くと有利です。体験内容・対象学年・開催形式を曖昧にせず、はっきり言葉にしておく。情報が具体的なほど、学生がAIに相談したときも正確に拾われ、比較の土俵に乗りやすくなります。
応募者の情報を、その場限りにしないために
ここまで設計の話をしてきましたが、最後に一つ、見落とされがちな論点に触れさせてください。それは、インターンで集まった応募者の情報を、どう次につなげるかです。
多くの中小企業では、インターン参加者の情報がExcelや個人のメモに散らばり、本選考のタイミングには「あの学生、どうだったっけ」と記憶を頼りに探すことになります。せっかく接点を持った学生が、フォローされないまま流れていく。これは非常にもったいない状態です。
中小企業の採用でAIや仕組みを活かすなら、まずここから始めるのが現実的です。応募者の情報を一元管理し、「いつ・誰が・どんな接点を持ったか」を残しておく。すると、サマーインターンの参加者を秋以降の本選考へ、抜け漏れなくつなげられます。
ここで大切なのは、応募者をどう評価し、どうフォローするかを決めるのは人間の仕事だということです。仕組みやAIは、その判断を支える土台にすぎません。判断の軸が定まっていれば、情報を整える仕組みは強力な味方になります。
私たちが提供している人事データ基盤「ツムイトHR」は、まさにこの「応募者管理から選考の流れまでを一画面で追える」という土台づくりを支えるものです。インターンで生まれた接点を、データとして残し、本選考へ繋いでいく。その入口から出口までを一本の線で見られるようにすることが、限られた人数で採用を回す中小企業にとっての近道になります。
採用、どうなってる? にもう焦らない。まずは数字で見える化することから始めてみませんか。
よくある質問
Q. インターンは1dayでも採用効果はありますか?
A. あります。むしろ中小企業では1day型のほうが現実的です。大切なのは日数の長さではなく、「代表との対話」「現場体験」「終了後のフォロー」という、中小企業ならではの体験を設計できているかどうかです。
Q. 28卒の内定出しはいつ頃を考えればいいですか?
A. 28卒は2028年4月入社で、今(2026年5月末)は早期選考・サマーインターンの設計フェーズです。内定はまだ先の話なので、今は「最初の接点づくり」に集中するのが正しい順番です。
Q. スカウト型と大学経由、どちらを優先すべきですか?
A. 母集団を広げたいならスカウト型、関心の近い学生に確実に届けたいなら大学経由です。リソースが限られるなら、まずスカウト型で広く声をかけ、つながりのある大学に絞って直接アプローチする組み合わせが現実的です。
Q. 大手と同じようなグループワークは用意すべきですか?
A. 無理に用意する必要はありません。中小企業の強みは、代表との対話や現場体験といった「リアルな接点」にあります。大手の選考フローを縮小コピーすると、かえって見劣りします。お互いを知る場として設計するほうが、志望度は上がります。
Q. 集まった参加者の情報は、どう管理すればいいですか?
A. 最低限、「いつ・誰が・どんな接点を持ったか」を一元的に残しておくことが大切です。個人のメモやバラバラのExcelに散らばると、本選考のときに追えなくなります。応募者管理を一本化しておくと、サマーインターンの参加者を秋以降へ抜け漏れなくつなげられます。
まとめ
28卒のサマーインターンは、大手が解禁する6月の前に動けるかどうかが勝負です。中小企業が取るべき順番を、もう一度整理します。
- 規模を決める(1dayか複数日か。今週これだけ確定する)
- コンテンツを設計する(大手の真似をせず、代表登壇・現場体験・対話で勝負する)
- 終了後のフォローを設計する(1週間以内の個別連絡で志望度が変わる)
そして、集まった応募者の情報を「その場限り」にせず、本選考へつなげる仕組みを持つこと。ここまで設計できて、初めてインターンは採用の成果につながります。
採用は「広告を出す」ことから始めるのではなく、「自社の接点を棚卸しして、次につなげる」ことから始める。その発想の転換が、人員の限られた中小企業の採用を、勘から数字へと変えていきます。
そして、この3ステップは一度きりで完成するものではありません。今年の1day型で得た手応えや学生の反応を記録しておけば、来年の設計はぐっと精度が上がります。回すほどに自社の採用が磨かれていく——その積み重ねが、大手と同じ土俵に立たなくても勝てる中小企業の採用力になります。
Tsumuguでは、弊社が伴走しているクライアント企業様での実例をもとに、中小企業の採用設計から定着までをデータとAIで伴走しています。「採用の現状を数字で見てみたい」という段階からで構いません。まずは御社の採用がいまどうなっているか、一緒に見える化するところからご相談ください。
この記事を書いた人
塔筋 大樹(とうすじ だいき)— 株式会社Tsumugu 代表
株式会社リクルートを経て、現在は株式会社アド・イーグルにて営業・人事・企画領域を執行役員として管掌。
あわせて株式会社Tsumuguの代表として、中小企業の採用・育成・評価・定着に関する人事課題に対し、データとAIを活用した伴走支援を行っている。