27卒の採用が落ち着き、「そろそろ28卒も考えないと」と感じている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
28卒向けのサマーインターンを実施したいと思っても、採用専任の担当者がいない中小企業では、日程を決めるだけでもひと苦労です。プログラムの内容、当日の運営、学生の集め方まで考えているうちに、準備が後回しになってしまうこともあります。
ただ、大手企業と同じようなインターンを用意する必要はありません。代表や現場社員と直接話せること、実際の仕事を近い距離で見てもらえることは、中小企業だからこそ提供できる体験です。
この記事では、28卒採用に向けて6月からサマーインターンを準備する中小企業のために、規模の決め方、プログラムの作り方、終了後のフォローを3つのステップに分けて紹介します。
28卒採用で中小企業が早めに動くべき理由
28卒採用では、本選考が始まってから学生を集めるのではなく、インターンシップなどを通じて早い段階から接点をつくることが重要です。
特に中小企業は、大手企業と比べて学生から最初から社名を知られているケースが多くありません。採用広報やインターンシップの準備が遅れるほど、学生に知ってもらう機会そのものが少なくなります。
さらに、学生の企業研究の方法も変わっています。マイナビキャリアリサーチLabの調査によると、就職活動でAIを利用したことがある2027年卒の学生は82.7%にのぼっています。
ナビサイトを見るだけでなく、検索やSNS、口コミ、AIなどを使って複数の企業を比較する学生が増えています。そのため、募集を始める前から、自社の仕事内容や働く人、会社の特徴を知ってもらえる情報を用意しておくことが大切です。
ここで注意したいのが、「応募が来ないから求人媒体を増やす」という考え方です。自社の魅力やターゲットが整理されていない状態で掲載先だけを増やしても、採用コストが膨らむだけで終わる可能性があります。
まず整理したいのは、「どんな学生に来てほしいのか」「自社で何を経験してもらうのか」「参加後にどのような接点をつくるのか」の3点です。ここが決まれば、インターンシップの内容や募集方法も考えやすくなります。
最初から完璧なプログラムをつくる必要はありません。実施時期と対象となる学生を決め、プログラムを設計し、募集を始める。まずはこの流れをつくることが、28卒採用の第一歩です。
28卒採用の準備やインターン設計にお悩みの方は、ツムイトHRをご覧ください。
中小企業に合うインターン、3ステップの設計
中小企業がインターンシップを実施する場合、最初から大規模なプログラムを用意する必要はありません。採用したい人数や社内で対応できる人員を踏まえ、無理なく続けられる形を考えることが大切です。
ここでは、「規模を決める」「内容を決める」「終了後のフォローを決める」の3ステップに分けて考えていきます。
ステップ1:規模を決める(1day型か、複数日型か)
最初に考えたいのが、どのくらいの期間・規模で実施するかです。内容から考え始めると、やりたいことが増えて運営負担も大きくなりがちです。
判断するときは、次の3点を確認してみてください。
- 採用予定人数:何人程度の採用を予定しているか
- 社内リソース:準備や当日の運営に何人の社員が関われるか
- 伝えたい魅力:短時間の対話で伝わるのか、実際に仕事を体験してもらう必要があるのか
判断に迷った場合は、次のように整理すると考えやすくなります。
| 項目 | 1day型が向くケース | 複数日型が向くケース |
|---|---|---|
| 採用予定人数 | 少人数 | ある程度の人数を予定 |
| 運営できる社員 | 限られている | 複数名が継続して関われる |
| 伝えたい魅力 | 社員との対話や会社理解 | 仕事や職場を深く体験してもらいたい |
| 準備期間 | あまり確保できない | 十分に確保できる |
採用担当者が他の業務を兼任しているなど、使える人員が限られている企業であれば、まずは短期間のプログラムから始める方法もあります。
重要なのは、日数を増やすことではありません。学生に何を知ってほしいのか、何を体験してほしいのかを決め、その目的に必要な期間を設定することです。
初年度から無理に規模を広げず、実施後の学生の反応や社内の負担を確認しながら、翌年度の内容を見直していくほうが継続しやすくなります。
ステップ2:コンテンツを設計する(大手の真似をしない)
規模が決まったら、次はプログラムの内容を考えます。
ここで意識したいのは、大手企業と同じようなプログラムを用意することではありません。立派な資料や大がかりなグループワークを用意しなくても、中小企業だからこそ見せられるものがあります。
- 経営者と直接話せる:事業を始めた理由や今後の展望を本人から聞ける
- 実際の仕事を知ることができる:職場見学や仕事体験を通じて、入社後のイメージを持ってもらう
- 社員とじっくり話せる:仕事内容だけでなく、働き方や職場の雰囲気について質問できる
会社の規模が小さいことを弱みとして隠すのではなく、学生との距離の近さをプログラムに生かすことがポイントです。
たとえば経営者が参加できるのであれば、会社説明だけを任せるのではなく、「なぜこの事業を始めたのか」「これから会社をどうしていきたいのか」を自分の言葉で話してもらいます。学生から直接質問できる時間を設けてもよいでしょう。
現場を見せられる会社なら、実際の仕事に触れてもらう方法もあります。営業職なら商談の進め方を紹介する、製造業なら工場や製造工程を見てもらうなど、普段の仕事そのものがコンテンツになります。
社員との座談会も、中小企業と相性のよい企画です。「入社前と入社後で印象が違ったこと」「仕事で大変だったこと」など、会社説明だけでは分からない話を聞ける時間をつくると、学生も働く姿をイメージしやすくなります。
選考を意識するあまり、学生を評価することばかりに偏らないことも大切です。企業が学生を見るだけでなく、学生にも自社を知ってもらう場として設計することで、その後の応募や選考にもつなげやすくなります。
ステップ3:終了後のフォローを設計する
インターンシップは、実施して終わりではありません。採用につなげるのであれば、終了後にどのような接点を持つかまで決めておきます。
まず、参加後はあまり間を空けずにお礼の連絡を入れましょう。その際、全員に同じ文章を送るだけではなく、参加した学生ごとに一言でも個別のコメントを添えると、コミュニケーションを続けやすくなります。
たとえば、「座談会で質問してくれた○○について、担当社員も印象に残っていました」といった内容です。参加人数が少ない中小企業だからこそ、一人ひとりに合わせたフォローができます。
さらに、次の接点も用意しておきます。社員との座談会や職場見学、会社説明会、選考案内など、学生の就職活動の時期に合わせて接点をつないでいきます。
「参加してもらうこと」をゴールにせず、「参加後にどう関係を続けるか」まで決めておくことが、インターンシップを採用につなげるポイントです。
学生に届くインターン募集の2つのポイント
インターンシップの内容をしっかり考えても、学生に知ってもらえなければ参加にはつながりません。募集を始める前に、「どこで告知するか」「何を伝えるか」の2つを決めておきましょう。
告知媒体を使い分ける
インターンシップの募集方法はいくつかあります。中小企業の場合、ひとつの媒体だけに頼るのではなく、自社の採用人数や予算に合わせて組み合わせるのが現実的です。
- 求人・インターンシップ媒体:多くの学生に情報を届けやすく、認知度が低い企業でも接点をつくれる
- スカウト型サービス:プロフィールを見ながら、自社に合いそうな学生へ直接アプローチできる
- 大学経由:キャリアセンターへの情報提供やOB・OG訪問などを通じて学生と接点をつくる
知名度の高くない中小企業では、掲載して待つだけでは十分な応募が集まらないこともあります。そこで活用したいのがスカウトです。
ただし、同じ文章を多くの学生に送るだけでは、なかなか返信につながりません。プロフィールを確認し、興味を持った経験や活動に触れながら、「なぜあなたに声をかけたのか」を伝えることが大切です。
送信数を増やすだけでなく、一人ひとりに声をかける理由をつくる。少人数採用の中小企業だからこそ取りやすい方法です。
大学との接点がある場合は、キャリアセンターへの情報提供やOB・OGとのつながりも活用できます。すぐに多くの学生を集められる方法ではありませんが、採用したい学部や地域がある程度決まっている企業では、有効な募集経路のひとつです。
告知文では「何を体験できるか」を具体的に書く
募集ページでは、会社の説明だけでなく、学生が参加することで何を経験できるのかを具体的に伝えます。
たとえば「営業職を体験できます」だけでは、実際に何をするのか分かりません。「若手社員と営業提案を考える」「実際の職場を見学し、社員と話す」といったところまで書くと、参加後のイメージを持ちやすくなります。
あわせて、「誰と会えるのか」「何を体験するのか」「何を持ち帰れるのか」を整理してみてください。
経営者が参加するのであれば、「代表から会社説明があります」ではなく、「代表と直接話し、事業を立ち上げた経緯や今後の展望を聞ける」としたほうが、参加する価値が伝わります。
実際に弊社が支援している企業では、代表が全セッションに参加する1day型のプログラムを設計し、「経営者と直接話せる」という特徴を打ち出したことで、少人数の募集枠を早い段階で埋めることができました。
プログラムを豪華に見せる必要はありません。自社だから提供できる体験を見つけ、それを学生に伝わる言葉にすることが重要です。
また、募集ページには対象学年、開催日時、場所・開催形式、プログラム内容、参加条件などの基本情報も明記しておきましょう。「詳細は参加者に連絡します」と曖昧にするより、学生が申し込む前に必要な情報を確認できる状態にしておくほうが親切です。
インターン参加者の情報を、その場限りにしないために
インターンシップを採用につなげるうえで、もう一つ考えておきたいのが、参加した学生の情報をどう管理するかです。
参加者の情報はあるものの、担当者ごとのExcelやメモ、メールなどに分かれている。しばらく経ってから「あの学生とは誰が話したのか」「どんな反応だったのか」が分からなくなる。採用担当者が少ない企業ほど、こうしたことが起こりがちです。
せっかく早い時期に学生と接点を持っても、その後のフォローができなければ採用にはつながりません。インターンシップの参加者を「その日の参加者」で終わらせず、その後も関係を続けられるように情報を残しておくことが大切です。
難しい管理から始める必要はありません。まずは、参加したプログラム、担当した社員、学生と話した内容、本人が興味を持っていたこと、次回の連絡予定などを一か所にまとめます。
こうした情報が残っていれば、次のイベントや会社説明会を案内するときにも、一人ひとりに合わせた連絡がしやすくなります。担当者が変わった場合も、それまでのやり取りを確認できます。
AIや採用管理システムを使う場合も考え方は同じです。情報の整理や共有は効率化できますが、学生をどう評価するのか、次にどのような接点をつくるのかを決めるのは採用担当者です。
大切なのはツールを導入することではなく、必要な情報を残し、次の採用活動で使える状態にしておくことです。
人事データ基盤「ツムイトHR」では、応募者情報や選考状況をまとめて管理できます。インターンシップで接点を持った学生の情報を残し、その後の選考まで追えるようにすることで、担当者間の情報共有やフォローもしやすくなります。
採用情報の管理・見える化については「ツムイトHR」をご覧ください。
よくある質問
Q. 1dayでも実施する意味はありますか?
A. あります。採用担当者や現場社員がインターンシップに割ける時間が限られている企業では、短期間のプログラムから始める方法もあります。大切なのは日数ではなく、学生に何を知ってほしいのか、何を体験してほしいのかを決めて内容を組み立てることです。
Q. 28卒の採用活動はいつから準備すればいいですか?
A. インターンシップやオープン・カンパニーなどを実施するのであれば、本選考の直前ではなく、学生が企業研究を始める時期を見据えて早めに準備しておく必要があります。実施時期から逆算し、プログラム設計、社内調整、募集準備を進めましょう。
Q. スカウトと大学経由では、どちらを優先すべきですか?
A. 採用したい学生や予算によって異なります。自社に合いそうな学生へ直接声をかけたい場合はスカウト、特定の大学や学部との接点をつくりたい場合はキャリアセンターやOB・OGとのつながりを活用する方法があります。ひとつに絞らず、自社で運用できる範囲で組み合わせるのがおすすめです。
Q. グループワークは用意したほうがいいですか?
A. 必須ではありません。グループワークを実施すること自体を目的にせず、自社の仕事や働く人について理解してもらうために必要かどうかで判断しましょう。経営者や社員との座談会、職場見学、仕事体験など、中小企業だからこそ実施しやすい内容もあります。
Q. インターン参加者の情報は、どう管理すればいいですか?
A. 最低限、参加したプログラム、担当した社員、学生とのやり取り、次回の連絡予定などを一か所にまとめておきましょう。担当者ごとのExcelやメモに分散させないことが重要です。参加後の接点まで記録しておけば、説明会や選考への案内もしやすくなります。
まとめ
28卒向けのサマーインターンを考えるとき、最初から立派なプログラムを作ろうとすると、なかなか準備が進みません。まず決めるべきなのは、1day型にするのか、複数日型にするのかという規模です。
実施形式が決まったら、自社でなければ見せられないものを考えます。代表が会社を立ち上げた理由を話す、現場社員の仕事を見てもらう、若手社員と率直に話せる時間を設ける。こうした内容は、大きな予算をかけなくても用意できます。
そして、インターンは当日だけで終わりではありません。終了後に個別のお礼やフィードバックを送り、秋以降のイベントや本選考へつなげるところまで決めておく必要があります。参加者の情報や当日の様子も記録しておけば、担当者が変わっても関係を途切れさせずに済みます。
まずは今週中に、実施形式と候補日を決めてみてください。日程が決まれば、必要な社員やプログラムの内容も具体的に考えられるようになります。最初の年から完成形を目指すのではなく、学生の反応を見ながら翌年へ改善をつなげていくほうが、中小企業には合っています。
Tsumuguでは、中小企業の新卒採用やインターン設計、採用基準づくり、応募者情報の管理まで、企業ごとの採用体制に合わせて支援しています。28卒採用をどこから始めればよいか迷っている企業様は、現在の採用状況を整理するところからご相談ください。






















