「競合企業はどのような採用活動をしているのか」「自社の求人は他社と比べて魅力があるのか」と悩む採用担当者は少なくありません。採用市場が年々厳しくなる中、求人を掲載するだけでは優秀な人材を確保することが難しくなっています。
そこで重要になるのが、採用競合調査です。競合企業の求人票や採用ページ、口コミサイト、SNSなどを分析することで、自社の強みや改善点を客観的に把握でき、応募につながる採用戦略を立てやすくなります。特別なツールがなくても、Google検索やIndeedなどの無料サービスを活用すれば十分に実践可能です。
本記事では、採用競合調査の基本的な進め方から、Google検索やIndeedを活用した分析方法、無料ツールを使った情報整理のコツ、競合との差別化につなげる実践ポイントまで分かりやすく解説します。
採用競合調査を自社で行う重要性
採用競合調査は、単に他社の求人条件を確認するためのものではありません。競合と比較しながら、自社が選ばれる理由と、逆に選ばれにくい理由を整理するための重要な作業です。
求人を出しても応募が集まらない場合、自社の採用条件だけを見直していても原因がわからないことがあります。求職者は複数の企業を比較しながら応募先を決めているため、競合企業がどのような給与、働き方、福利厚生、仕事内容を提示しているのかまで確認する必要があります。
また、競合調査を自社で継続して行えるようになると、採用市場の変化にも対応しやすくなります。求人を掲載するたびに外部へ調査を依頼するのではなく、定期的に競合求人を確認し、自社の求人内容や採用施策を見直せる仕組みをつくることが大切です。
特に採用担当者が少ない中小企業では「求人を出す→結果を見る→競合と比較する→改善する」という流れを社内に定着させることで、採用活動の再現性を高められます。
競合調査が採用戦略に与える影響
競合調査を行うと、これまで自社目線で考えていた採用活動を、求職者目線で見直せるようになります。
たとえば、自社では「給与水準は十分」と考えていても、同じ地域・同じ職種の求人と比べると低い場合があります。反対に、給与では競合に負けていても、年間休日、残業時間、教育制度、キャリアアップの機会など、別の部分で優位性があるかもしれません。
確認したいのは給与だけではありません。競合企業の求人票や採用サイトを見ながら、次のような項目を比較していきます。
- 給与・賞与・手当
- 休日数・残業時間・勤務時間
- 仕事内容や任せる業務範囲
- 福利厚生や働き方
- 教育・研修制度
- キャリアパス
- 求人タイトルやキャッチコピー
- 写真や社員紹介などの採用コンテンツ
- 選考フローや応募条件
こうした情報を横並びで確認すると、「なぜ競合には応募が集まり、自社には集まらないのか」という仮説を立てやすくなります。
競合調査の目的は、他社の真似をすることではなく、自社が採用市場でどのような位置にいるのかを把握することです。
そのうえで、求人条件を見直すのか、訴求方法を変えるのか、ターゲットそのものを変更するのかを判断すると、採用施策の優先順位も決めやすくなります。
他社比較で見えてくる自社の強みと弱み
競合企業と比較すると、自社だけを見ていたときには気づかなかった強みや弱みが見えてきます。
たとえば、給与では大手企業に勝てなくても、「転勤がない」「経営層との距離が近い」「若手でも仕事を任せてもらえる」「勤務時間の融通が利く」といった点が、求職者にとって魅力になる場合があります。
一方で、「年間休日が少ない」「仕事内容がわかりにくい」「キャリアパスが見えない」「求人票だけでは社風が伝わらない」といった弱点が見つかることもあります。
重要なのは、競合に負けている項目をすべて改善しようとしないことです。給与や福利厚生など、すぐには変更できない条件もあります。
変えられない条件と、改善できる訴求を切り分けたうえで、自社が勝てるポイントを明確にすることが採用競合調査の役割です。
自社の強みが整理できたら、求人票や採用サイト、スカウト文、面接での説明などに反映します。競合との違いを具体的に伝えられるようになることで、ターゲット人材に選ばれやすい採用活動へつなげられます。
無料でできる採用競合調査の方法
採用競合調査は、外部のコンサルティング会社や有料の分析ツールを使わなくても始められます。Google検索や求人検索サイト、競合企業の採用サイトなど、普段から利用しているサービスだけでも多くの情報を集められます。
まずは自社と同じ職種・勤務地で人材を募集している企業を探し、「どのような条件で、何を強みにして募集しているのか」を比較するところから始めましょう。
ここでは、費用をかけずにできる採用競合調査の具体的な方法を紹介します。
Google検索で競合企業を調べる
Google検索は、競合企業の求人情報だけでなく、採用サイトや社員インタビュー、採用に関するニュースなどを幅広く探せる方法です。
すでに競合企業がわかっている場合は企業名で検索し、採用ページや求人情報を確認します。競合がわからない場合は、自社が募集している職種や勤務地を組み合わせて検索してみましょう。
「職種+地域+求人」で検索する
たとえば東京都内で営業職を採用している場合は、「営業 東京 求人」「法人営業 新宿 求人」などで検索します。
検索結果には求人検索サイトや企業の採用ページなどが表示されるため、自社と同じような人材を募集している企業を探すことができます。
ここで重要なのは、同業他社だけを競合と考えないことです。同じ職種・地域・給与水準で募集している異業種の企業も、採用では競合になる可能性があります。
気になる企業が見つかったら、企業名、職種、給与、休日、仕事内容、応募資格などをスプレッドシートに記録しておくと、後から比較しやすくなります。
競合企業の採用サイト・プレスリリースを調べる
競合企業がある程度絞り込めたら、企業名で検索して採用サイトも確認します。
求人票だけでなく、社員インタビュー、福利厚生、研修制度、キャリアパス、働き方など、どの情報を大きく取り上げているかにも注目しましょう。
たとえば社員の成長事例を数多く掲載しているのであれば、「成長環境」を採用上の強みとして打ち出している可能性があります。社員の働き方を詳しく紹介している企業なら、職場環境や働きやすさを重視していると考えられます。
プレスリリースも参考になります。採用人数の拡大、新しい人事制度、初任給の引き上げ、福利厚生の新設などが発表されることもあるためです。
求人票に書かれている条件だけでなく、「競合が採用で何を強みとして見せようとしているのか」まで確認するのがポイントです。
Indeedなどの求人検索サイトで募集条件を比較する
Indeedや求人ボックスなどの求人検索サイトも、採用競合を探す際に役立ちます。
職種や勤務地などの条件を設定して検索すると、同じ人材を募集している企業の求人をまとめて確認できます。
給与・休日・仕事内容などを横並びで比較する
競合求人が見つかったら、自社と同じ項目で比較してみましょう。
給与だけを見るのではなく、年間休日、勤務時間、残業、福利厚生、仕事内容、応募資格、研修制度なども確認します。
さらに、求人タイトルや冒頭の文章、写真など、「求職者に最初に何を伝えているか」を見ることも大切です。
たとえば、自社と給与水準がほぼ同じにもかかわらず、競合企業が「年間休日125日」「未経験から3ヶ月で独り立ち」「転勤なし」など具体的なメリットをわかりやすく伝えていれば、求人の見せ方で差がついている可能性があります。
条件そのものに差があるのか、それとも同じような条件なのに自社がうまく伝えられていないだけなのかを切り分けて考えましょう。
競合求人の変化を定期的に確認する
採用競合調査は、一度調べて終わりではありません。採用市場の状況に合わせて、競合企業も給与や休日、応募条件などを変更します。
たとえば3ヶ月に一度など期間を決めて同じ企業の求人を確認し、「給与が上がった」「年間休日が増えた」「未経験者まで対象を広げた」といった変化を記録しておくと参考になります。
自社の応募数や採用単価なども同じ期間で記録しておけば、競合環境の変化と自社の採用結果を照らし合わせて考える材料になります。
ただし、求人検索サイトから競合企業の応募数や採用数まで把握できるわけではありません。公開されていない数字を推測するのではなく、確認できる求人条件や募集状況の変化を追うことが大切です。
口コミサイトやSNSから求職者目線の情報を集める
求人票や採用サイトは企業側から発信される情報です。それだけではわからない職場の評判や社員の声を調べる際に、口コミサイトやSNSが参考になります。
競合企業の口コミを確認する
転職口コミサイトでは、給与、評価制度、働き方、社風、キャリアなど、さまざまなテーマについて社員や元社員の口コミが投稿されています。
競合企業の口コミを確認するときは、評価点だけで判断するのではなく、どのような内容が繰り返し書かれているかを見るのがおすすめです。
たとえば「若手にも仕事を任せてもらえる」という口コミが複数あれば、成長環境が競合の強みになっている可能性があります。反対に、同じ不満が繰り返し投稿されていれば、自社との差別化を考えるヒントになることもあります。
口コミはあくまで個人の経験や主観です。事実として断定せず、競合を理解するための参考情報として扱いましょう。
SNSで採用広報の内容を確認する
競合企業がSNSを運用している場合は、採用に関してどのような情報を発信しているかも確認してみましょう。
社員紹介、社内イベント、仕事内容、オフィス、福利厚生など、採用サイトより日常に近い情報を発信している企業もあります。
投稿内容だけでなく、継続的に取り上げているテーマを見ることで、その企業が採用で何を伝えようとしているのかが見えてきます。
Google検索、求人検索サイト、採用サイト、口コミ、SNSで集めた情報は、最後にスプレッドシートなどへまとめて自社と比較します。
無料で採用競合調査をする場合でも、「調べる→比較する→自社の求人を改善する」まで行うことが重要です。
競合の給与を調べただけで終わらせず、自社の求人票や採用サイト、スカウト文、採用条件のどこを変えるべきかまで考えてみましょう。
関連記事:人事データ活用とは?BIツールで実現する分析・見える化・活用方法を徹底解説
採用競合調査に使える無料ツール
採用競合調査に、高額な分析ツールは必ずしも必要ありません。求人検索サイトやGoogleスプレッドシートなど、無料で利用できるツールだけでも競合企業の求人条件や訴求内容を調べることはできます。
まずは「競合の求人を探す」「情報を集める」「比較する」の3つに分けて、必要なツールを使い分けるのがおすすめです。
特に採用人数がそれほど多くない中小企業であれば、最初から複雑な分析環境をつくる必要はありません。無料ツールから始め、継続して競合を確認できる仕組みをつくりましょう。
Googleスプレッドシート|競合企業の求人を一覧で比較する
競合調査で最初に用意したいのが、競合企業の情報をまとめる比較表です。Googleスプレッドシートを使えば、複数企業の求人情報を同じ項目で並べて比較できます。
たとえば、次のような項目を設定します。
- 企業名
- 募集職種
- 給与
- 賞与・手当
- 勤務地
- 勤務時間・残業時間
- 年間休日
- 福利厚生
- 応募資格
- 仕事内容
- 教育・研修制度
- 求人で強く訴求している内容
- 掲載している求人媒体
自社を含めて5社程度を横並びにするだけでも、「給与では負けているが年間休日では勝っている」「競合は研修制度を詳しく説明している」といった違いが見えてきます。
比較表を作る目的は、競合より優れている項目の数を競うことではなく、「求職者から見たときに自社を選ぶ理由があるか」を確認することです。
求人検索サイト|競合企業の募集条件を調べる
競合企業が現在どのような条件で募集しているのかを調べるなら、Indeedや求人ボックスなどの求人検索サイトが役立ちます。
自社と同じ「職種×勤務地」で検索し、検索結果に表示される企業を確認してみましょう。自社が競合だと思っていなかった企業が、実際には同じ求職者を取り合っているケースもあります。
求人を見る際は、給与だけでなく、求人タイトル、仕事内容、休日、福利厚生、応募条件、写真、キャッチコピーなども確認します。
採用上の競合は、商品・サービスの競合企業と同じとは限りません。同じ人材を募集している企業が採用競合になります。
たとえば営業職を採用する場合、同業他社だけでなく、同じ地域で似た給与水準の営業職を募集している異業種企業も比較対象になる可能性があります。
Google トレンド|採用市場の動きを調べる
Google トレンドを使えば、特定のキーワードがGoogleでどの程度検索されているのか、その推移を無料で確認できます。
たとえば職種名や業界名などを比較すると、検索需要がどのように変化しているのかを見る際の参考になります。
ただし、Google トレンドから競合企業の応募数や採用数がわかるわけではありません。あくまで検索関心の変化を見るための補助的な情報として活用しましょう。
口コミサイト・SNS|求人票だけでは見えない情報を調べる
求人票や採用サイトには、基本的に企業側が伝えたい情報が掲載されています。そこで参考になるのが、転職口コミサイトやSNSです。
「評価制度」「働き方」「社風」「上司との関係」「成長環境」など、求人票だけではわからない情報を確認できます。
競合企業について同じ内容の口コミが複数見つかった場合、その特徴が採用上の強みや弱みになっている可能性があります。
ただし、口コミは個人の経験や主観に基づく情報です。一つの口コミだけで判断せず、複数の情報を確認したうえで競合分析の参考材料として扱いましょう。
Looker Studio|調査結果をグラフで可視化する
競合調査を継続的に行う場合は、Googleが提供するLooker Studioを使ってデータを可視化する方法もあります。
Googleスプレッドシートなどに蓄積したデータをもとにグラフや表を作成できるため、調査対象が多い場合や、経営層へ定期的に報告する場合に便利です。
ただし、数社の求人条件を比較する程度であれば、無理にBIツールを導入する必要はありません。Googleスプレッドシートだけでも十分です。
ツールを増やすことよりも、同じ項目で定期的に競合を調査し、前回から何が変わったのかを確認できる状態にすることが重要です。
無料ツールを使った採用競合調査の進め方
初めて採用競合調査を行う場合は、まず求人検索サイトで自社と同じ職種・勤務地の求人を検索し、比較対象となる企業を5社程度選びます。
次に、それぞれの求人条件や訴求内容をGoogleスプレッドシートにまとめます。必要に応じて採用サイトや口コミサイト、SNSも確認し、求人票だけではわからない情報を補完します。
比較した結果、「給与」「休日」「仕事内容」「教育制度」「働き方」「キャリア」などの項目ごとに、自社の強みと弱みを整理しましょう。
最後は必ず調査結果を求人票や採用サイト、スカウト文、採用条件などの改善につなげます。競合を調べること自体が目的にならないよう注意してください。
また、競合調査だけでなく、応募者管理や選考状況の把握など、自社の採用業務を整理することも重要です。
ツムイトHRでは、採用だけでなく、入社後の育成や評価まで一貫して管理できる人事基盤を提供しています。「採用業務を効率化したい」「採用から育成・評価まで一つの仕組みで管理したい」とお考えの企業様は、サービス内容をご覧ください。
採用競合調査の参考にしたい企業の採用事例
採用競合調査では、競合企業の給与や福利厚生だけでなく、「誰を採用したいのか」「自社の魅力をどう伝えているのか」「他社との違いをどこに置いているのか」まで見ることが大切です。
特に採用に力を入れている企業の採用サイトや求人情報には、自社の採用活動を見直すヒントがあります。
成功事例をそのまま真似するのではなく「なぜこの会社はこの訴求をしているのか」という視点で見ると、競合調査を自社の採用戦略に活かしやすくなります。
サイバーエージェント|学生人気企業の採用競合分析
サイバーエージェントは、就活口コミサイトやSNSに投稿された学生の声を徹底的に収集・分析しています。
そこで得られた情報をスプレッドシートに整理し、エントリーしてくる学生の傾向を分類。さらに他の人気企業との比較を行い、どの要素が差別化に直結しているかを定量的に可視化しています。
たとえば「カルチャーを重視する学生層が厚い」「成長機会の豊富さが魅力」「働きやすさが応募意欲につながる」といった評価が企業ブランドの強みであることを突き止め、それらを求人コンテンツや採用広報に積極的に反映しました。
このサイクルを継続的に回すことで、母集団形成を安定させ、新卒採用市場でも長年にわたり高い人気を維持しています。
リクルート|求人票比較を活用した条件設計
リクルートは、Indeedや自社の求人媒体をもとに、競合企業の待遇や条件を定期的に調査・比較しています。職種ごとに応募率や相場感をスプレッドシートに一覧化することで、市場の動きをリアルタイムに把握しやすくしているのです。
さらに、求人票比較のテンプレートを活用して他社と自社の条件を並べることで、どの待遇が強みで、どこに改善の余地があるかを明確化。
その結果を反映し、応募率を高めるための条件設計に取り組んでいます。この取り組みは単なる比較にとどまらず、競合との差別化ポイントを可視化し、優秀な人材を獲得するための実践的な戦略となっています。
Sansan|データドリブン採用戦略
Sansanでは、ATS(採用管理システム)や候補者データに加え、外部サーベイなどの情報を組み合わせた分析によって、給与水準の競争力や採用オペレーションの改善点を定量的に把握しています。結果として特定職種の給与改定が内定承諾率の向上に直結した例もあります
さらに「狩猟型採用」から「農耕型採用」へとシフトし、タレントプールを活用した中長期の採用マーケティングを実践。応募しなかった方や辞退した方も含め継続的に関係を築き、転職関心が高まったタイミングでアプローチできる仕組みを作っています。
また、採用活動に必要なデータ基盤を自ら整備し、応募数や通過率などの指標を可視化した上で、採用プロセスのPDCAを回す体制を構築しています。
競合調査の結果を自社の採用施策に落とし込む
競合企業を調べて終わりでは、自社の採用活動は変わりません。
「競合より給与が低い」「採用サイトの情報量が少ない」「仕事内容の魅力を伝えきれていない」「候補者との接点が求人媒体だけになっている」など、調査によって見つかった課題を整理し、改善できるものから採用施策に反映していきましょう。
採用競合調査で重要なのは、他社に合わせることではなく、比較を通じて自社が選ばれる理由を明確にすることです。
ツムイトHRでは、採用だけを切り離して考えるのではなく、事業や組織の方向性をもとに、求める人物像の整理から採用後の育成・評価まで一貫した人事の仕組みづくりを支援しています。
「競合と比べて自社の採用に何が足りないかわからない」「自社の強みを求人でうまく伝えられていない」といった課題があれば、採用戦略を見直すところからご相談ください。
採用競合調査から自社の採用戦略を考える
採用競合調査は、他社の給与や福利厚生を調べて終わりではありません。調査結果をもとに、自社の採用条件や求人の見せ方、ターゲットなどを見直して初めて意味があります。
大切なのは「競合より劣っているところをすべて改善する」のではなく、「自社はどこで勝負するのか」を決めることです。
たとえば、給与では競合に勝てなくても、休日数や残業時間、働き方の自由度、教育体制、仕事内容などで優位性があるかもしれません。競合との違いを整理したうえで、自社が採用したい人材に何を伝えるべきか考えていきましょう。
応募者視点で比較して改善点を見つける
採用競合調査では、企業側ではなく応募者の立場から自社と競合を比較することが重要です。
実際に求職者になったつもりで、自社と競合企業の求人票や採用サイトを見比べてみましょう。給与や休日などの条件だけでなく、仕事内容のわかりやすさ、職場の雰囲気、入社後のキャリア、教育制度なども比較します。
口コミサイトやSNSも参考になります。ただし、個人の感想だけで判断するのではなく、複数の口コミに共通している内容がないかを見ることが大切です。
比較する項目はスプレッドシートなどにまとめておくと、自社の立ち位置がわかりやすくなります。
「自社の求人に応募する理由は何か」「競合を選ぶとしたら何が決め手になるか」という2つの視点で比較すると、改善すべきポイントが見つけやすくなります。
たとえば、給与や休日などの条件で大きな差がないにもかかわらず、競合の求人のほうが仕事内容やキャリアパスを具体的に説明しているのであれば、待遇を変えなくても求人原稿の改善で差を縮められる可能性があります。
差別化ポイントを求人コンテンツに反映する
競合調査で自社の強みが見つかったら、求人票や採用サイト、スカウト文などに反映します。
ここで注意したいのが、「研修制度が充実」「働きやすい職場」「ワークライフバランスを重視」といった抽象的な表現だけで終わらせないことです。これだけでは競合との違いが伝わりません。
たとえば研修制度であれば、研修期間や内容、誰が教えるのか、独り立ちまでどのくらいかかるのかまで具体的に伝えます。働きやすさを強みにするなら、年間休日数や平均残業時間、有給休暇の取得状況など、求職者が比較できる情報を示したほうが伝わります。
差別化とは「他社にはない特徴」を無理に作ることではありません。競合と比較したときに、自社を選ぶ理由を具体的に伝えられる状態にすることが重要です。
求人票だけでなく、採用サイトや会社説明会、スカウト、面接などでも同じ強みを伝えられるようにすると、採用活動全体に一貫性を持たせることができます。
競合調査を定期的に行い採用戦略を見直す
採用市場は変化するため、一度調査した競合情報をそのまま使い続けるのはおすすめできません。
競合企業が給与を引き上げたり、年間休日を増やしたり、新しい採用サイトを公開したりすれば、それまで自社の強みだったものが強みではなくなることもあります。
特に採用が難しい職種では、求人を掲載するタイミングや採用計画を見直す際に、競合企業の求人も確認しておくとよいでしょう。
調査結果はスプレッドシートなどに残し、「給与」「休日」「福利厚生」「仕事内容」「応募条件」「訴求内容」などを定期的に更新していけば、前回から何が変わったのかも把握できます。
採用競合調査は一度きりの資料作成ではなく、求人を改善するための定期的なチェックとして続けることが大切です。
応募数や採用単価、選考通過率、内定承諾率など自社の採用データとあわせて確認すれば、「競合が変わったから応募が減ったのか」「自社の求人に問題があるのか」といった原因も考えやすくなります。
競合の変化を確認しながら、自社の採用条件や訴求内容を見直す。このサイクルを続けることで、採用市場の変化にも対応しやすくなります。
まとめ
採用競合調査は、競合企業を調べることが目的ではありません。競合との違いを客観的に把握し、自社ならではの魅力を明確にすることで、採用力を高めるための重要な取り組みです。
Google検索やIndeed、口コミサイトなどの無料ツールを活用すれば、求人票や採用ページ、採用広報の内容を比較・分析し、改善すべきポイントを見つけることができます。また、調査結果をスプレッドシートなどで継続的に管理することで、採用市場の変化にも柔軟に対応できるようになります。
採用競合調査は一度実施して終わりではなく、定期的に情報を更新しながら採用戦略を改善し続けることが重要です。自社の強みを明確に打ち出し、応募者に選ばれる採用活動を実現していきましょう。
株式会社Tsumuguでは、採用戦略の設計から競合分析、採用ブランディング、採用管理ツールの導入支援まで、中小企業の採用力向上をサポートしています。採用活動の見直しをご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。






















