- 1年で100万時間の労働を削減!(※1)
- 3ヶ月で生産性が2倍に!(※2)
- 年間約12億円のコスト削減!(※3)
こんなことを言われたら、誰だってAIを導入したくなりますよね。
「AIを導入したいけれど、何から始めればいいかわからない」「ChatGPTを契約したものの、社内で使われない」。こうした悩みを抱える中小企業は少なくありません。
AI導入で成果が出ない企業には共通点があります。それは、ツール選びから始めてしまうことです。
AI導入を成功させる鍵は、現場の課題から考えること。
本記事では、AIの知識がなくても実践できる中小企業向けのAI導入フローをわかりやすく解説します。現場へのヒアリングから社内展開まで、失敗しやすいポイントや成功のコツもあわせて紹介します。
※1 出典:GMOインターネットグループ『生成AI活用により2024年の合計業務削減時間100万時間を突破!』(2024)
※2 出典:Zenken『Zenken、ChatGPT Enterprise全社員導入で年5,000万円の外部委託費用削減を実現!』(2025)
※3 出典:住友商事『コスト削減効果は年間約12億。住商の「生成AI活用」最前線』(2025)
現場から始めるAIの社内導入|6つのステップ
AIの社内導入を成功させるために、最初から大規模なシステムを導入したり、全社員にAIツールを使わせたりする必要はありません。
まずは現場の課題を洗い出し、小さく試して効果を確認しながら、少しずつ社内へ広げていくことが重要です。
AIに詳しい社員が少ない企業でも、次の6つのステップに沿って進めることで、導入の目的や活用方法を整理しやすくなります。
この6つのステップで特に重要なのが、最初の「現場へのヒアリング」です。
AI導入というと、「どのAIツールを導入するか」「ChatGPTをどう使うか」といったツール選びから始めてしまいがちです。しかし、ツールを導入すること自体が目的になってしまうと、現場で使われず、費用や教育コストだけがかかる可能性があります。
先に考えるべきなのは「AIで何ができるか」ではなく、「自社のどの業務を改善したいのか」です。
現場が抱えている課題を把握したうえで、AIで改善できそうな業務を選び、小規模に試す。効果が出た使い方をマニュアル化し、他の部署へ展開する。この順番で進めることで、「AIを何のために、どの業務で、どのように活用するのか」が明確になります。
反対に、目的が曖昧なままツールだけ導入すると、「導入したものの一部の社員しか使っていない」「何に使えばいいかわからない」といった状態になりかねません。
AIの社内導入は、一度に完成させるものではありません。小さく始めて、効果を検証し、成功事例を社内に広げていくことが定着への近道です。
まずは最も重要なSTEP1として、AIを導入すべき業務を見つけるための「現場へのヒアリング」から詳しく見ていきましょう。
ステップ1:AIがどこに必要なのかを調査
失敗をしないためにダントツで重要となるのが、現場へのヒアリング。
ここで聞くべきは、AIの必要性ではなく、「現場がなにをしんどいと思っているか」です。
「何の作業に一番時間を取られているか?」
「正直、一番やりたくない仕事は?」
こうした観点のヒアリングをすることで、本当にAIが必要な部署や業務を洗い出せるだけでなく、現場と経営層の意識にどんなギャップがあるのかもわかります。
たとえば、AIの導入先で真っ先に思いつくのは事務職。AIは文章作成や要約が得意なので、事務作業と親和性が高いのはたしかです。
しかし実際は、営業、製造、開発職などのほうが、事務作業にかける時間を減らしたいと思っているかもしれません。
謝罪の文章作成に時間と神経をすり減らしたことがある営業は少なくありません…。
「もっとコア業務に集中したい」という声があったとしても、ヒアリングなしには現場の本音を把握できません。
先入観に頼らず現場の声を聞かないと、思い込みだけでAIの導入先を決めがち。この初期ステップを見落とすと、AIの導入はほぼ完全な博打になります。
現場への調査は、AIの社内導入を成功させる必須のステップであるだけでなく、社内が抱えている業務上の問題を俯瞰できるメリットの多いステップ。現場の声は、かけがえのない情報資産です。
株式会社Tsumuguでは、現場へのヒアリングや課題整理を起点に、人材・組織づくりを支援しています。「AIを導入したいが、何から始めればいいかわからない」「生成AIを導入したものの、社内で活用が広がらない」「AIを活用して業務効率化を進めたい」といった課題があれば、まずは現在の状況をお聞かせください。
ステップ2:「社内で最もAIに詳しい人」を知る
社内でAIに詳しい人が誰か、ぱっと答えられますか?
これがわからないと、AI利用に対するモチベーションが低い人をAI担当として任命してしまい、社内導入が挫折します。
AIに詳しい人の見つけ方は、たとえば以下のような方法があるでしょう。
AIリテラシーのある人は、IT部門の有無にかかわらず、さまざまな場所に散っているもの。
部署や職種ではなく、「こうすれば業務が楽になりそう」という改善の発想を持つ人が、AIの利用経験も豊富だったりします。
ただし、一点だけ注意があります。
「以前から優秀な人がAI活用のコアメンバーに適していても、現実的にはメンバーとしてアサインしづらい」こと。
なぜ優秀な人ではいけないのか? ステップ3を通じて見ていきましょう。
ステップ3:少人数のAI活用チームを立ち上げ
AIに明るい人がわかったら、いよいよスモールスタートでAIを活用していきます。
チームはだいたい5名、最大でも10名で、部署単位ではなく混成チームにするのがオススメです。
| AI導入チームの構成例 | |
|---|---|
| メンバー | 主な役割 |
| 経営陣(1名) | 導入目的の決定、予算承認、社内への方針共有 |
| 現場社員(1~2名) | 時間がかかっている業務や改善したい課題を洗い出す |
| IT担当・情報システム担当(1~2名) | セキュリティ、アカウント管理、情報漏えいなどのリスクを確認する |
| AI活用に関心のある社員(1~2名) | ツールを試し、業務で使える方法を検証・共有する |
どのメンバーも重要なのですが、不可欠なのは経営陣と現場の社員。経営側のメンバーは、できれば代表が望ましいです。
いくら社内でAIの必要性が認知されていても、意思決定をする人が重要さを理解していないと、社内導入は成功しません。
逆に、意思決定ができても、現場とミスマッチしていると、これも成功の妨げになります。
経営者もAIリテラシーを養い、意識のズレを防ぐことが肝要です。
なお、チーム作りをするとき、社内で「優秀な人」と認知されている社員はコアメンバーに適さないことがあります。
優秀な社員には仕事が集中しており、AI導入を推進する余裕がないケースがほとんどなのです。
どんな分野にせよ、新しいことを社内に取り入れるには一定の時間と労力を要します。業務量を調整することも視野に入れつつ、実働部隊となるメンバーを決めていきましょう。
ステップ4:AI活用の「勝ちパターン」を作る
まずは1~3つほど、「これは便利!」と実感できる勝ちパターンを作りましょう。
成功例があると、他部署への展開や追加投資の必要性を説明しやすくなり、社内でのAI活用も一気に加速します。
専門用語たっぷりの営業資料やマニュアルなどを要約させると、AIのメリットを感じやすいです!
混成チームの場合、最初の勝ちパターンづくりは「どの部門・役職でも共通して発生するような作業」に的を絞ると、チーム全員が効果を実感しやすくなります。
ただし、ステップ1でヒアリングした現場の声が最重要。実際にどのような部分で勝ちパターンを作るかは、自社に合わせてカスタマイズしましょう。
勝ちパターンを作れたら、AI導入の成功は目前です。
ステップ5:自社に最適なマニュアルを整備
勝ちパターンを作れたら、社内へ広げるために自社だけのマニュアルを整備しましょう。
ここで言うマニュアルは、単なるツールの使い方ではなく、安心してAIを使うリスク管理のためのルール。
会社でAIを利用する場合、入れてはいけない情報があります。個人情報や取引先の名前、機密保持に関わる内容などです。
たとえばChatGPTのエンタープライズ版など、法人向けの高価なツールはセキュリティ性も高いとされていますが、ステップ5はまだミニマルな段階。
万が一の情報漏洩を避けるためにも、ガイドラインは整備しなければいけません。
SNSの利用方法と同じように、ツールの使い方というよりも、AI活用の倫理規範を整備するようなイメージを持つのがオススメです。
情シスの社員がコアメンバーにいると、このあたりのステップでとても活躍してくれるでしょう。
ここまでのステップを終えたら、AIを本格的に導入する土台が整います。
ステップ6:必要に応じて導入規模を拡大
スモールスタートで効果測定を行い、ルールも整備できたら、どの部署にどこまでAIを導入するか検討していきます。
この段階まで到達した頃には、AI活用チームに在籍している経営陣も一定のAIリテラシーを身につけているでしょう。
このリテラシーがあれば、AI施策に関する意思決定の精度が上がります。
ここで重要なのが、判断基準と注意点。今後の拡大について検討するためにも、以下の視点を持っておきましょう。
たとえば、生成AIと言えばChatGPT。プライベートでもChatGPTを利用している人は多いので、スモールスタートにはもってこいのサービスです。
しかし、ChatGPTで法人向けとされている「エンタープライズ」は出力の品質やセキュリティ性が高いなどのメリットがある一方、ライセンス料もお高め。
無料版は制限が多いので非推奨ですが、どんな企業もエンタープライズが最適というわけではありません。
最適なAIサービスも、AIが必要な範囲も、企業ごとに異なります。
せっかく活用の土台が整っても、この見極めをおろそかにしてしまうと最後の最後でムダな費用が増えてしまいますので、「必要に応じて」導入規模を拡大しましょう。
実は失敗のほうが多い「中小企業のAI導入」
ここまで、AIを社内導入する際の基本的な進め方を紹介してきました。
AI導入では、ツール選定そのものよりも、導入後に「誰が進めるのか」「何のために使うのか」「現場で本当に使われるのか」といった部分で止まってしまうケースが少なくありません。
特に中小企業では、限られた人員の中でAI活用を進める必要があるため、担当者の選び方や現場との連携が重要になります。
| 中小企業のAI導入で起こりやすい失敗例 | |
|---|---|
| よくある状態 | 主な原因 |
| AI推進を特定の優秀な社員に任せきりにする | 担当者の業務負荷を考慮していない |
| 契約したものの、ほとんど使われていない | ツールありきで導入している |
| 一部の社員しか使わず、効果が見えない | 活用目的や対象業務が曖昧 |
優秀な社員への「丸投げ」は避ける
AIに詳しい社員や、普段から業務改善を任されている社員を見ると、「この人にAI推進も任せよう」と考えたくなります。
しかし、中小企業では仕事ができる社員ほど、すでに複数の業務やプロジェクトを抱えていることも少なくありません。
その状態でAI導入まで追加すると、検証や社内展開に十分な時間を使えず、結果として取り組みが途中で止まってしまう可能性があります。
AI推進担当を決めるときは、スキルだけでなく「その人に時間を確保できるか」まで確認することが重要です。
優秀な社員に任せる場合も、まずは既存業務を整理し、AI推進に使える時間をつくることが大切です。
担当者一人ではなく、現場を巻き込んで進める
AI導入を担当者だけの仕事にすると、現場の課題とズレた活用になりやすくなります。
例えば、AI担当者が「資料作成を効率化したい」と考えていても、現場では顧客対応や入力作業の方が負担になっているかもしれません。
そのため、導入前に現場へヒアリングし、どの業務に時間がかかっているのか、どこならAIを使いやすいのかを確認しておく必要があります。
AIに詳しい担当者と、実際の業務をよく知る現場社員が一緒に考えることで、使われるAI活用に近づきます。
関連記事:優秀な人が突然辞める会社の共通点とは?離職を防ぐエンゲージメント向上のポイント
「導入したか」ではなく「使われているか」を見る
AIツールを契約した時点で導入完了と考えてしまうのも、よくある失敗です。
実際には、アカウントを発行しただけでは使い方が分からず、一部の社員しか利用しないこともあります。
導入後は、利用人数や利用頻度だけでなく、どの業務で使われているのか、どれくらい時間を削減できたのかまで確認しましょう。
もし利用が進んでいなければ、ツールが悪いと決めつける前に、使い方の説明不足や対象業務の選び方に問題がなかったかを見直す必要があります。
AI導入の成否は、契約したツールの数ではなく、現場の業務がどれだけ改善したかで判断することが大切です。
弊社では、現場へのヒアリングや組織状態の把握を通じて、AI導入を進める前の土台づくりから支援しています。
損失が膨らむ「AI導入の失敗パターン」3選
AI導入で注意したいのは、「思ったほど使われなかった」で終わらず、導入費用や運用コストまで無駄になってしまうケースです。
特に中小企業では、使える予算や人員が限られています。高額なツールを導入したものの現場で使われなければ、金銭的な損失だけでなく、導入や教育にかけた時間まで失うことになります。
AI導入では「何を導入するか」より先に「どの業務の、どの課題を解決したいのか」を決めることが重要です。
現場の声を聞かずにAIを導入する
1つ目は、実際にAIを使う社員へのヒアリングをせず、経営層や人事部門だけで導入を決めてしまうパターンです。
例えば、経営側では「資料作成をAIで効率化したい」と考えていても、現場では資料作成よりデータ入力や顧客対応に時間がかかっているかもしれません。
この状態で資料作成ツールを導入しても、現場が抱えている課題とはズレているため、利用が進まない可能性があります。
AI導入を検討する前に、まず現場へ「どの業務に時間がかかっているか」「どんな作業を減らしたいか」を聞いてみましょう。
現場へのヒアリングは、AIを導入した後ではなく、ツールを選ぶ前に行うことがポイントです。
ツールありきでAI導入を進める
2つ目は「このAIツールを使いたい」というところから導入を考えてしまうパターンです。
生成AIやAIサービスは新しい機能が次々に登場するため、機能の多さや話題性に目が向きやすくなります。しかし、高機能なツールが自社にとって良いツールとは限りません。
例えば、次のような理由だけで導入を決める場合は注意が必要です。
補助金を使って安く導入できても、必要のないツールなら運用費や教育時間が無駄になってしまいます。
「AIで何ができるか」から考えるのではなく「解決したい課題は何か」から逆算してツールを選びましょう。
ツール選びは最後です。可能であれば、いきなり全社導入せず、一部の部署や業務で試して費用対効果を確認してから利用範囲を広げましょう。
悪質なITベンダーの言いなりになる
AIは成長市場であり、効果や機能も華やか。そのため、誇大広告じみたセールスで契約を取ろうとする悪質なITベンダーもいます。
前の2パターンと比べて頻度が少ない失敗ではありますが、実害は数千万円を超えることも。
携帯会社に言われるがまま、最新機種のスマホや乗り換えを契約してしまった経験はありませんか?
お客様が専門家でないのをいいことに、利益や営業目標を優先する。そんな業者は、AIに限らずどの業界にもいます。
不用意に高額な契約をしてしまった場合、莫大なコストがかかるだけでなく、経営判断について社員から不信を抱かれる可能性も。
社内だけで判断するのが難しい場合は、導入するAIツールを販売していない第三者に相談する方法もあります。販売を目的としない立場から意見をもらうことで、必要以上の機能やコストが含まれていないかを確認しやすくなります。
弊社は特定のAIツールを販売するベンダーではありません。現場の課題整理からツール選定まで、中立的な立場でAI導入を支援しています。
「このAIツールを契約して大丈夫?」「自社にはどの程度の機能が必要?」と迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。
AIの社内導入で押さえておきたい必須ポイント
中小企業がAIを社内導入するときは、ツールの機能や料金だけを見ればよいわけではありません。導入後に現場で使われ、実際の業務改善につなげるには、運用の考え方も重要です。
特に押さえておきたいのは、「人員削減ありきで考えない」「導入後も効果を検証する」「現場の声を起点にする」の3点です。
人員削減ありきでAIを導入しない
AIを導入するときに注意したいのが「AIを入れれば人を減らせる」という考え方からスタートしてしまうことです。
経営側がコスト削減を強調しすぎると、社員から「自分の仕事がなくなるのではないか」「AI導入は人員整理のためではないか」と受け取られ、活用に消極的になる可能性があります。
まずは人を減らすことではなく、社員が時間を取られている業務を減らし、本来取り組むべき仕事に時間を使える状態をつくると考えた方が、現場にも受け入れられやすくなります。
「AIで誰を減らすか」ではなく、「AIでどの仕事を減らすか」から考えるのがおすすめです。
| AI導入で起こりやすい誤解 | |
|---|---|
| よくある誤解 | 実際に考えたいこと |
| AIを入れれば何でも効率化できる | AIが向いている業務を見極める必要がある |
| 専門家の仕事もすべて代替できる | 下書きや情報整理など、補助的な活用から始める |
| AIを入れれば人が不要になる | 人が担当する業務の内容や役割が変わる |
生成AIは、文章の下書き、要約、情報整理、アイデア出しなどに向いています。一方で、出力内容が正しいかどうかの確認や、顧客・社員の状況を踏まえた判断まで、そのまま任せられるとは限りません。
例えば、人事であれば求人原稿のたたき台や面談内容の整理にはAIを使えても、採用するかどうかの判断や社員への評価まで完全に任せるのは別の問題です。
「AIに任せる業務」と「人が判断する業務」を分けて考えることが、無理のないAI導入につながります。
導入後も効果測定と改善を続ける
AIツールは、導入した時点で成果が決まるものではありません。実際に使ってみると、想定していた業務では使われなかったり、別の業務で効果が見つかったりすることがあります。
そのため、導入後は「利用者数」だけを見るのではなく、どの業務で使われているのか、どれくらい時間を削減できたのか、出力の品質に問題はないかまで確認します。
例えば、月に10時間かかっていた議事録作成が5時間に減ったのであれば、AI活用によって月5時間を削減できたと判断できます。一方、利用者が多くても業務時間がほとんど変わっていなければ、活用方法を見直した方がよいでしょう。
AI導入は「使っているか」ではなく「仕事がどう変わったか」で評価することが重要です。
一定期間ごとに効果を確認し、使う業務を増やす、プロンプトやルールを見直す、必要のないツールはやめるなど、運用を調整していきましょう。
AI活用のヒントは現場から集める
AIで業務を効率化したいと考えても、経営層や人事だけで話し合っていては、本当に改善すべき業務を見落としてしまうことがあります。
なぜなら、日々の業務で「時間がかかっている」「面倒だけどやらなければいけない」と感じているのは、実際にその仕事を担当している社員だからです。
AIをどこに導入するかを考える前に、まず現場が何に困っているのかを把握することが大切です。
たとえば、次のような流れでヒアリングすると、AIを活用できそうな業務が見つけやすくなります。
ポイントは、最初から「AIを何に使うか」を聞かないことです。
現場の社員がAIに詳しいとは限りません。「AIを使って改善したい業務はありますか?」と聞いても、具体的なアイデアが出てこないこともあります。
先に現場の困りごとを集め、その中からAIで解決できそうな業務を探す。この順番で考えたほうが、実際の業務に合った活用方法を見つけやすくなります。
一方で、現場へのヒアリングは質問するだけで終わりではありません。社員が本音を話せる関係づくりや、集めた意見を整理して課題を見つける作業も必要です。
特に、次のような企業では、自社だけで進めるのが難しい場合があります。
株式会社Tsumuguでは、現場へのヒアリングをはじめ、組織が抱えている課題の整理や社内コミュニケーションの改善を支援しています。
AIを導入すること自体を目的にするのではなく、まず「現場で何が起きているのか」を整理するところから始めることが大切です。
「現場の課題をうまく把握できていない」「社員の本音を聞き出せない」「ヒアリングしたものの改善につながらない」といった悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
AIの社内導入では若手社員の起用も選択肢
AI導入を進めたいものの、「誰に推進を任せればいいのか」で止まってしまう企業は少なくありません。
業務をよく理解している管理職やベテラン社員に任せる方法もありますが、すでに多くの仕事を抱えており、AI活用まで手が回らないケースもあります。実際、弊社のお客様からも「優秀な社員ほど忙しく、AI推進まで任せる余裕がない」という声を聞きます。
そこで検討したいのが、若手社員の起用です。
AIに詳しいかどうかを年齢だけで判断することはできませんが、新しいツールを試すことに抵抗がなく、自分で調べながら使える若手社員がいれば、AI推進を任せる選択肢があります。
最初から全社のAI導入を任せる必要はありません。まずは一つの部署や業務でAIを試し、使い方や成果を社内へ共有する役割から始めてもよいでしょう。
AIリスキリングで若手社員の役割を広げる
生成AIの普及によって、文章作成や情報整理、データ分析など、さまざまな仕事の進め方が変わり始めています。そこで重要になっているのが「リスキリング」です。
AIもリスキリングの対象の一つです。これまでの勤続年数や役職に関係なく、生成AIを実際に使いながら学ぶ必要があります。
ここで若手社員にAI活用を任せるメリットは、単に「若いからAIに詳しい」ということではありません。
例えば、普段から生成AIを使っている社員や、新しいサービスを自分で試すことが好きな社員であれば、業務で使える方法を見つけてもらい、その知見を社内に共有する役割を任せることができます。
AI活用を若手社員に任せることは、業務効率化だけでなく、これまで目立たなかった社員に新しい役割や活躍の機会をつくることにもつながります。
若手社員を「AI推進担当」にして終わらせない
一方で、「若手だからAIを任せよう」と丸投げするのは避けた方がよいでしょう。
AIツールには詳しくても、会社全体の業務や経営課題まで理解しているとは限りません。反対に、管理職やベテラン社員はAIに詳しくなくても、業務上の課題や顧客対応、社内ルールなどをよく理解しています。
そのため、若手社員だけでAI導入を進めるのではなく、現場や管理職と組み合わせて推進する方法がおすすめです。
「AIに詳しい人」と「業務に詳しい人」を組み合わせることで、ツールありきではなく、現場の課題に合ったAI活用を進めやすくなります。
若手だけに任せるのではなく、若手のAI活用力とベテラン社員の業務知識を組み合わせることがポイントです。
若手採用でもAIの「知識」より「活用経験」を見る
これから若手を採用する企業であれば、選考時にAIの活用経験を確認する方法もあります。
ただし、「ChatGPTを知っていますか」「生成AIについて説明してください」といった知識だけを問う必要はありません。
こうした質問から確認したいのは、AIに関する知識量だけではありません。
新しいツールを自分で試し、うまくいかなければ使い方を変えながら改善できるかを見ることがポイントです。
もちろん、採用時点でAIを使いこなせる人材だけを求める必要はありません。入社後に学べる環境を用意し、AI活用に興味を持つ若手社員を育てていく方法もあります。
弊社では若手採用や人材育成、AI活用を含めた組織づくりについて支援しています。AI推進を誰に任せればよいか迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。
生成AIの社内導入で成果が出た企業・自治体の事例
生成AIを社内に導入しても、ツールを用意しただけではなかなか活用が進みません。実際に成果が出ている事例を見ると、AIツールの導入だけでなく、研修や勉強会を行いながら現場で使い方を試していることが分かります。
ここでは、業務時間やコストの削減といった具体的な成果が公表されている2つの事例を紹介します。
【年間1,368時間を削減】アイニコグループ×THA
最初に紹介するのは、不動産・住宅事業などを展開するアイニコグループ株式会社が、株式会社THAの支援を受けて生成AIの活用を進めた事例です。
| アイニコグループの事例詳細 | |
|---|---|
| 取り組み | 週1回の勉強会・セッション |
| 対象 | 全事業部 |
| 成果1 | 広報企画部で年間1,368時間の業務時間を削減 |
| 成果2 | 事業ごとのAI活用施策を整備 |
特徴は、AIツールを導入して終わりにせず、週1回の勉強会やセッションを行いながら、各事業部で実際にAIを使って業務改善を進めたことです。
広報企画部では、生成AIの活用によって年間1,368時間の業務時間削減につながったと公表されています。
さらに、同社が成果として挙げているのが、社員の意識の変化です。AIを実際の業務で使う経験を重ねることで、「自分たちにもできる」という感覚が社内に生まれたとしています。
AI活用を一部の詳しい社員だけに任せるのではなく、社員自身が業務の中で使い方を考え、試す機会をつくった点は参考になります。
AIを定着させるには、社員が実際に手を動かして「この業務なら使える」と実感する機会をつくることが大切です。
【7ヶ月で2,102時間を削減】泉大津市×グラファー
企業ではありませんが、中小企業のAI導入を考えるうえで参考になるのが、大阪府泉大津市と株式会社グラファーの取り組みです。
泉大津市では生成AIサービスの導入と職員向け研修を行い、実際の行政業務で生成AIを活用しました。
| 泉大津市の事例詳細 | |
|---|---|
| 取り組み | 生成AIツールの導入・AI活用研修 |
| 対象 | 市職員70人 |
| 成果1 | 7ヶ月で約470万円相当の業務効率化 |
| 成果2 | 7ヶ月で2,102時間の業務時間を削減 |
この事例で参考になるのは、生成AIを特別な業務だけに使っているわけではないことです。
職員へのアンケートでは、文章の誤字チェックやメール作成、議事録作成、文章の要約など、日常的に発生する業務で生成AIが利用されています。
いきなり重要な意思決定や専門業務をAIに任せるのではなく、文章作成や要約など、効果を確認しやすい業務から活用範囲を広げている点は、中小企業でも取り入れやすい考え方です。
また、泉大津市はグラファーと連携協定を結び、ツールの導入だけでなく、職員向けの研修なども含めてAI活用を進めています。
2つの事例に共通しているのは、AIツールを導入しただけで成果が出たわけではないことです。実際の業務で使いながら活用方法を広げ、一定期間をかけて効果を確認しています。
中小企業がAI導入を進める際も、最初から全社的な大改革を目指すのではなく、効果を測りやすい業務から試し、社員の成功体験を増やしていくことが定着への近道です。
AIの社内導入では「導入後」の伴走支援が重要
AI導入は、ツールを契約したり、社員向けの研修を実施したりすれば終わりではありません。
実際に使い始めると、「思ったより利用されない」「現場によって活用度に差がある」「別の業務にも使えそう」といった新しい課題や改善点が見えてきます。
そのため、AI導入では最初のツール選定だけでなく、導入後の利用状況を確認しながら改善を続けることが重要です。
前述した事例でも、短期間で成果を判断するのではなく、一定期間にわたって取り組みを続けながら効果を確認しています。
特に社内にAIやDXに詳しい人材がいない中小企業では、担当者だけですべてを進めるのが難しいこともあります。そこで選択肢になるのが、導入後まで継続して支援してくれる伴走型のパートナーです。
例えば、次のような支援が考えられます。
・現場へのヒアリングと課題整理
・AIを活用する業務の選定
・自社に必要なAIツールの比較・選定
・社員への使い方の共有や研修
・利用状況や効果の確認
・現場の声を踏まえた運用方法の改善
単発の研修では、その時点でAIの使い方を学ぶことはできます。しかし、実際の業務に定着させるには、使ってみて分かった課題を拾い、運用方法を修正していく必要があります。
AI導入の目的は「AIを使うこと」ではなく、業務や組織の課題を解決することです。場合によっては、AIより先に業務フローや人材配置、マネジメントを見直したほうがよいケースもあります。
弊社では特定のAIツールを販売することを目的とせず、現場の課題整理から導入後の運用まで支援しています。「そもそも自社にAIが必要なのか」という段階でも、お気軽にご相談ください。
まとめ:AIの社内導入は「現場ファースト」で!
AI導入は、高価なツールを導入することがゴールではありません。現場の課題を見つけ、小さく始め、成果を積み重ねながら社内へ広げていくことが成功への近道です。
特に中小企業では、一度の判断が業務効率や生産性に大きく影響します。だからこそ、ツールありきではなく、「誰の、どんな課題を解決するのか」という視点を持つことが重要です。
株式会社Tsumuguでは、AI導入だけでなく、現場へのヒアリングや組織課題の整理、人事・採用・育成まで一貫して支援しています。AIを自社にどう取り入れるべきか悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。























STEP1:現場の課題をヒアリングする
時間がかかっている作業や負担の大きい業務を洗い出し、AIを活用する目的を明確にします。
STEP2:AI活用の推進役を決める
社内でAIに詳しい人や関心の高い人を探し、導入を進める中心メンバーを決めます。
STEP3:少人数のAI活用チームを立ち上げる
いきなり全社展開せず、まずは少人数でAIを試せる体制をつくります。
STEP4:AI活用の成功パターンをつくる
実際の業務でAIを活用し、どの業務でどのような使い方をすれば効果が出るのかを検証します。
STEP5:自社専用のAI活用マニュアルを整備する
効果が確認できた使い方を整理し、他の社員でも再現できるようにルールや活用事例をまとめます。
STEP6:効果を確認しながら導入範囲を広げる
成功事例を社内で共有し、必要に応じて対象となる部署や業務を広げていきます。