新卒採用で学生との接点を増やす方法として、SNSを活用する企業が増えています。
InstagramやTikTok、X、LINEなどを使えば、求人サイトだけでは伝えにくい職場の雰囲気や社員の人柄、仕事のやりがいを学生へ直接届けられます。特に、日頃からSNSで情報を集めている学生に自社を知ってもらううえで、有効な採用手法です。
一方で、アカウントを開設して採用情報を投稿するだけでは、応募にはつながりません。SNSごとの特徴を理解したうえで、誰に何を伝えるのかを決め、継続して運用する必要があります。
本記事では、新卒採用でSNSを活用するメリット・デメリット、媒体ごとの特徴、企業の成功事例、運用を始める際のポイントを解説します。
SNS採用とは
SNS採用とは、InstagramやTikTok、X、LINEなどのSNSを活用し、学生との接点づくりや企業情報の発信を行う採用手法です。
求人情報を掲載するだけでなく、社員の働く様子や職場の雰囲気、仕事のやりがいなどを継続して発信できる点に特徴があります。求人票だけでは伝えにくい会社のリアルを届けられることが、SNS採用の大きな強みです。
SNS採用が注目される背景
SNS採用が注目されている背景には、学生の情報収集方法の変化があります。
新卒採用では、就職サイトや会社説明会だけで企業を比較するのではなく、SNSや動画を通じて社員の雰囲気や実際の働き方を確認する学生が増えています。そのため、企業側にも、学生が普段利用している場所で情報を届ける姿勢が求められています。
Z世代との接点をつくりやすい
Z世代は、スマートフォンやSNSが身近にある環境で育った世代です。日常的な情報収集だけでなく、就職活動でもInstagramやTikTok、X、YouTubeなどを活用しています。
SNSでは、採用情報だけでなく、社員紹介、仕事風景、社内イベント、若手社員の一日などを写真や動画で伝えられます。学生はこうした投稿から、会社の雰囲気や自分が働く姿を具体的にイメージできます。
企業から一方的に情報を届けるだけでなく、コメントやメッセージを通じて学生と直接やり取りできる点も、SNSならではの特徴です。
学生の情報収集手段が変化している
以前の新卒採用では、就職サイトや合同説明会、企業ホームページが主な情報源でした。現在はそれらに加えて、SNS上の投稿や動画、社員個人の発信、口コミなども企業選びの判断材料になっています。
特に学生が知りたいのは、募集要項に書かれた制度だけではありません。実際にどのような社員が働いているのか、職場はどのような雰囲気なのか、若手社員がどのように成長しているのかといった情報です。
採用サイトでは整った情報を伝え、SNSでは日常や社員の声を伝えるなど、媒体ごとに役割を分けると、企業への理解を深めてもらいやすくなります。
SNS採用は、それだけで応募を集める施策ではなく、学生に自社を知ってもらい、興味を持ってもらうための入口として活用することが大切です。
新卒採用で活用できる主なSNSの種類と特徴
新卒採用で活用される主なSNSには、LINE、X、Instagram、Facebook、TikTok、Wantedlyがあります。
それぞれ得意な役割が異なるため、利用者数だけで選ぶのではなく、「誰に、どのような情報を届けたいのか」に合わせて使い分けることが重要です。
LINE
LINEは、学生との連絡や選考フォローに向いているツールです。LINE公式アカウントを利用すれば、会社説明会の案内や予約確認、選考日程、締切のリマインドなどを直接届けられます。
メールよりも通知に気づいてもらいやすく、学生からの質問にも対応しやすいため、説明会への参加率や選考途中の離脱を改善したい場合に役立ちます。
一方で、LINEは新しい学生に会社を知ってもらうよりも、すでに接点を持った学生との関係を深める用途に向いています。母集団形成ではなく、応募後の連絡や選考フォローを効率化するツールとして活用するとよいでしょう。
X(旧Twitter)
Xは、短い文章で素早く情報を発信できるSNSです。会社説明会やインターンシップの案内、採用担当者からのお知らせ、社員の日常などをリアルタイムで届けられます。
投稿が共有されることで、アカウントをフォローしていない学生にも情報が届く可能性があります。また、採用担当者や社員が自分の言葉で発信することで、公式サイトとは違った企業の人柄も伝えられます。
ただし、採用情報ばかりを投稿しても学生には読まれにくくなります。仕事に関する学びや社員の考え方、業界情報なども交えながら、継続して発信することが大切です。
Instagramは、写真や短い動画を使って職場の雰囲気を伝えるのに向いています。社員紹介、若手社員の一日、オフィスの様子、社内イベント、研修風景などは、Instagramと相性のよい内容です。
求人票では説明しにくい社風や人間関係を視覚的に見せられるため、学生が入社後の働き方をイメージしやすくなります。
投稿のデザインを整えることも大切ですが、見た目だけを優先すると実態が伝わりません。きれいに見せることよりも、実際に働く社員や職場の様子を具体的に伝えることが重要です。
Facebookは、企業としての取り組みや事業内容を詳しく発信するのに向いています。会社のニュース、イベント情報、地域活動、社員紹介などを掲載することで、企業の信頼性を伝えられます。
新卒学生への直接的なアプローチ手段としては優先度が高くありませんが、社員やOB・OG、取引先、学生の保護者などに情報を届ける役割が期待できます。
すでに企業の公式Facebookページを運用している場合は、採用情報だけを切り離すのではなく、会社全体の活動の中に採用関連の投稿を組み込むと運用しやすくなります。
TikTok
TikTokは、短い動画で学生の興味を引き、自社を知ってもらうために活用できます。仕事内容の紹介、社員への質問、オフィスツアー、入社理由などを短くまとめることで、会社を知らなかった学生にも届く可能性があります。
知名度の低い企業でも動画が広く表示されることがあるため、採用の認知拡大には向いています。ただし、再生回数を狙うあまり、会社の実態とかけ離れた企画に寄せるのは避けるべきです。
話題性だけを追うのではなく、動画を見た学生が仕事内容や社風を正しく理解できる内容にすることが、採用で活用する際のポイントです。
Wantedly
Wantedlyは、給与や待遇だけではなく、企業の理念や事業への思い、社員の価値観を伝えやすい採用プラットフォームです。
企業ページのほか、社員インタビューやプロジェクト紹介などの記事を掲載できるため、「どのような会社なのか」を深く知ってもらえます。カジュアル面談への導線を設けやすく、応募前の学生と接点をつくれる点も特徴です。
特に、仕事内容や企業文化への共感を重視する企業と相性があります。一方で、ページを開設しただけでは応募は集まりません。社員の声や事業の背景を継続して発信し、企業理解を深めてもらう必要があります。
すべてのSNSを同時に始める必要はありません。認知を広げたいならInstagramやTikTok、情報を素早く届けたいならX、学生との連絡を強化したいならLINEなど、採用課題に合うSNSを一つ選び、無理なく続けることから始めましょう。
SNS採用のメリット
SNS採用のメリットは、求人サイトだけでは接点を持ちにくい人にも自社を知ってもらえることです。求人情報だけでなく、社員や職場の雰囲気、仕事の様子などを継続的に発信することで、応募前から会社への理解を深めてもらえます。
SNSは「今すぐ転職・就職したい人を集める」だけでなく、将来の応募者との接点をつくる採用手法として活用できます。
求人媒体では出会いにくい層にも情報を届けられる
求人サイトを見る人の多くは、すでに就職や転職を考えている顕在層です。一方、SNSは普段の情報収集や交流のために利用されているため、まだ本格的に仕事を探していない人にも自社を知ってもらえる可能性があります。
XやInstagram、TikTokなどで投稿した内容がフォロワー以外にも表示されたり、シェアされたりすることで、これまで自社を知らなかった人との接点が生まれることもあります。
採用活動を始めてから応募者を集めるだけでなく、普段から自社を知っている人を増やしておけることがSNS採用の強みです。
会社や社員のリアルな雰囲気を伝えやすい
求人票だけで、実際の職場の雰囲気まで伝えるのは簡単ではありません。SNSであれば、社員紹介や仕事風景、社内イベント、1日の仕事の流れなどを写真や動画で発信できます。
特にInstagramやTikTokは写真や動画との相性がよく、文章だけでは伝わりにくい職場の空気感や社員同士の関係性を見せやすい媒体です。
入社後の働く姿をイメージできる情報を増やすことで、応募前の不安を減らし、自社に合った人からの応募につなげやすくなります。
採用ブランディングにつながる
SNSは、求人を募集している期間だけ使う必要はありません。会社の考え方や仕事へのこだわり、社員の声、日々の取り組みなどを継続的に発信することで、「どのような会社なのか」を少しずつ伝えられます。
知名度の高い企業でなくても、特定の仕事や業界に関する情報を継続して発信することで、その分野に興味を持つ人から認知される可能性があります。
給与や待遇だけでは伝えきれない自社らしさを発信し、求職者に「この会社で働いてみたい」と思ってもらうきっかけをつくれる点もSNS採用のメリットです。
広告費を抑えて始められる
SNSは基本的に無料でアカウントを開設できるため、求人広告のように掲載するたびに広告費が発生するわけではありません。まずは自社でアカウントを開設し、社員紹介や採用情報などを発信するところから始められます。
投稿したコンテンツがアカウントに蓄積されていくことも特徴です。過去の投稿をさかのぼって見ることで、求職者が会社について理解するための情報源にもなります。
ただし、SNSが無料だからといって、採用コストがかからないわけではありません。企画や撮影、投稿作成、コメントへの対応などには担当者の時間が必要です。
広告費だけで判断するのではなく、SNS運用にかかる工数も含めて費用対効果を考えることが大切です。
求職者と直接コミュニケーションを取れる
SNSでは、コメントやDMなどを通じて求職者と直接やり取りできます。説明会や選考に進む前の段階から接点を持てることは、求人広告にはない特徴です。
求職者から寄せられた質問は、その人だけでなく、同じ疑問を持っているほかの求職者への情報発信にも活用できます。「社員の1日は?」「未経験でも応募できる?」「どのような人が活躍している?」といった質問を次の投稿テーマにすることもできます。
企業が一方的に求人情報を発信するのではなく、求職者の反応を見ながら採用情報を改善していけることもSNS採用のメリットです。
SNS採用のデメリット
SNS採用は低コストで始めやすい一方、アカウントを作って数回投稿しただけで応募が集まるものではありません。成果が出るまでに時間がかかることも多く、継続して運用できる体制が必要です。
SNS採用を始める前に、効果測定の難しさや炎上リスク、運用にかかる手間まで理解しておくことが大切です。
短期間では効果を判断しにくい
SNSを見た人が、その場ですぐ求人に応募するとは限りません。投稿をきっかけに会社を知り、しばらくしてから採用サイトを訪れたり、会社名を検索して応募したりするケースもあります。
そのため、SNS経由の採用人数だけを見ていると、実際の効果を正しく評価できないことがあります。
フォロワー数だけを追うのではなく、採用サイトへのアクセス数、プロフィール閲覧数、説明会への申込数、応募数など、採用につながる数字を確認しましょう。
応募フォームに「当社をどこで知りましたか」といった項目を設けておくのも一つの方法です。SNSから直接応募しなかった人についても、応募までのきっかけを把握しやすくなります。
炎上や企業イメージ低下のリスクがある
SNSは情報が広がりやすい反面、不適切な投稿も広がりやすいという特徴があります。採用担当者や社員による何気ない投稿が批判を集め、会社全体のイメージに影響する可能性もあります。
特に採用目的で運用する場合は、求職者への配慮を欠いた表現、社員や応募者の個人情報、社外秘の情報などを投稿しないよう注意が必要です。
投稿してよい内容や確認フロー、コメント・DMへの対応方法など、最低限のSNS運用ルールを決めておきましょう。
万が一問題が起きた場合も、安易に投稿を削除すればよいとは限りません。事実関係を確認したうえで、必要に応じて訂正や説明を行うなど、状況に合わせた対応が求められます。
継続的な運用に手間がかかる
SNSのアカウント自体は簡単に開設できますが、継続して運用するには時間がかかります。投稿テーマを考え、文章や画像・動画を作成し、投稿後にはコメントやDMへの対応も必要です。
特に注意したいのが、最初からX、Instagram、TikTok、YouTubeなど複数のSNSに手を広げてしまうことです。媒体ごとに適したコンテンツが異なるため、採用担当者がほかの業務と兼任している会社では大きな負担になりかねません。
SNS採用は「始めること」よりも「無理なく続けられること」を優先し、自社の採用ターゲットに合ったSNSから始めることが大切です。
毎日投稿する必要もありません。週1回など無理のない頻度から始め、社員紹介や仕事内容、よくある質問など、採用活動の中ですでに持っている情報を活用すると運用負担を抑えられます。
SNS採用の成功事例
SNSを採用活動に取り入れ、応募者との接点づくりや採用ブランディングにつなげている企業は少なくありません。ここでは、実際の取り組みや担当者から伺った内容をもとに、SNS採用の成功事例を紹介します。
各社がどのSNSを使っているかだけでなく、どのような情報を発信し、採用活動にどう活かしているのかにも注目してみてください。
株式会社ネオキャリアの事例
株式会社ネオキャリアでは、X(旧Twitter)やInstagramなどを活用し、新卒採用に関する情報を積極的に発信しています。会社説明会や採用イベントの告知だけでなく、社員や職場の様子なども紹介し、学生が会社を知る接点を増やしています。
Instagramでは、若手社員の仕事や社内の雰囲気などを写真や動画で発信。LIVE配信やQ&Aなども取り入れ、学生が採用サイトを見るだけでは分からない情報を届けています。
こうしたSNSでの継続的な情報発信によって、採用イベントへの参加者やエントリー数の増加にもつながっています。
イベントの告知だけで終わらせず、社員や職場の情報を普段から発信し、学生との接点を増やしている点がネオキャリアのSNS採用の特徴です。
株式会社ニトリの事例
株式会社ニトリでは、Instagramなどを活用し、社員や仕事内容、社内イベントなど採用に関する情報を発信しています。
写真だけでなく、リールやストーリーズなども活用し、実際に働く社員の姿や職場の雰囲気を伝えています。求人情報だけでは伝わりにくい「どのような人が働いているのか」を見せることで、学生が入社後の働き方をイメージしやすくしています。
こうした取り組みは、エントリー数の増加だけでなく、就職活動中の学生に対する企業認知の拡大にもつながっています。
知名度の高い企業であっても、社名や商品だけに頼らず、社員や仕事内容を見せることが採用ブランディングでは重要です。
株式会社ディー・エヌ・エーの事例
株式会社ディー・エヌ・エーでは、X(旧Twitter)やYouTube、Wantedlyなど複数の媒体を活用し、採用情報を発信しています。
採用情報やイベントの告知だけでなく、社員インタビューや仕事の様子、エンジニアやクリエイターのキャリアなども紹介。Wantedlyのストーリーなどを通じて、短いSNS投稿だけでは伝えきれない仕事内容や企業文化についても詳しく発信しています。
こうした媒体の使い分けによって、求職者との接点を増やしながら企業理解を深め、エントリー率の向上や採用ブランディングにつなげています。
一つのSNSですべてを伝えるのではなく、短い情報はSNS、詳しい社員紹介や仕事内容は記事や動画と、情報によって媒体を使い分けている点が参考になります。
合同会社DMM.comの事例
合同会社DMM.comでは、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどを活用した採用広報に取り組んでいます。
社員目線で会社の日常や仕事の裏側を紹介するほか、動画ではオフィスや現場の様子、社内イベントなどを発信。求職者が普段見ることのできない会社の内側を見せることで、入社後の働く姿をイメージしやすくしています。
SNSを継続的に採用活動へ取り入れたことで、企業の認知拡大だけでなく、求職者との接点やエントリーの増加にもつながっています。
会社の日常や仕事の裏側まで見せることで、求職者との距離を縮めている点がDMM.comのSNS採用の特徴です。
日本テレビ放送網株式会社の事例
日本テレビ放送網株式会社では、X(旧Twitter)やInstagramなどを活用し、新卒採用やインターンシップに関する情報を発信しています。
採用説明会などの告知に加えて、社員が登場するコンテンツや仕事内容の紹介、就職活動中の学生からの質問に答える企画なども実施しています。テレビ局というとアナウンサーや番組制作のイメージが先行しやすい一方、実際にはさまざまな職種があります。SNSを通じて社員や仕事を紹介することで、学生が会社への理解を深めるきっかけをつくっています。
こうした取り組みにより、採用イベントへの参加者増加や企業イメージの向上にもつながっています。
すでに知名度の高い企業でも、「会社を知ってもらう」だけでなく「仕事を知ってもらう」ためにSNSを活用できることが分かる事例です。
株式会社山善の事例
株式会社山善では、Wantedlyなどを活用し、社員インタビューや仕事内容、企業として大切にしている考え方などを発信しています。
求人情報だけではなく、実際に働く社員の声やキャリアについて伝えることで、求職者が会社や仕事について理解したうえで応募できるようにしています。カジュアル面談や職場見学など、応募前に企業と求職者が接点を持てる機会も設けています。
こうした情報発信によって企業への共感を生み、応募者の増加や採用ブランディングにつなげています。
BtoB企業など一般消費者との接点が少ない企業ほど、社員や仕事を切り口に自社から情報を発信することが、求職者に知ってもらうきっかけになります。
ユニリーバ・ジャパン株式会社の事例
ユニリーバ・ジャパン株式会社では、InstagramやYouTubeなどを活用し、社員インタビューや働き方、キャリア、職場環境などに関する情報を発信しています。
Instagramでは写真や動画を通じて社員や職場の様子を紹介し、YouTubeでは社員のインタビューや就職活動中の学生に向けたコンテンツなど、より詳しい情報を届けています。
こうしたSNSや動画を使った情報発信によって、応募者の企業理解を深めるとともに、採用ブランディングや新しい応募者層との接点づくりにもつながっています。
商品や企業の知名度をそのまま採用力と考えるのではなく、「働く場所としてどのような会社なのか」を社員の姿や言葉を通じて伝えている点が参考になります。
SNS採用のポイント
SNS採用は、アカウントを開設して求人情報を投稿するだけでは、なかなか成果につながりません。誰に何を伝えるのかを決めたうえで、自社に合った方法で継続して発信することが大切です。
まずはSNSを使う目的と採用したい人物像を整理し、その人が知りたい情報を発信するところから始めましょう。
SNSを活用する目的を明確にする
最初に決めておきたいのが、SNSを採用活動に使う目的です。「他社もやっているから」「若い人が使っているから」といった理由だけで始めると、何を投稿すればよいのか分からなくなり、運用が止まりやすくなります。
たとえば、自社の認知度を高めたい、採用サイトだけでは伝わらない職場の雰囲気を見せたい、説明会への参加者を増やしたいなど、企業によって目的は異なります。
目的が決まれば、投稿する内容だけでなく、利用するSNSや確認すべき数字も決めやすくなります。
認知拡大が目的なら投稿のリーチやプロフィール閲覧数、説明会への集客が目的なら申込数、応募につなげたいなら採用サイトへのアクセス数や応募数など、目的に合わせて成果を確認しましょう。
採用したい人物像を具体的にする
次に、「誰に見てもらいたいのか」を考えます。すべての求職者に好かれるアカウントを目指す必要はありません。
新卒採用であれば、どのような仕事に興味を持つ学生なのか、中途採用であれば、どのような経験や志向を持つ人に入社してほしいのかを整理します。
ただし、年齢や性別などを細かく設定するだけでは不十分です。「仕事選びで何を重視しているのか」「転職や就職にどのような不安を感じているのか」「入社前に何を知りたいのか」まで考えると、発信する内容を決めやすくなります。
採用したい人が知りたい情報から逆算して投稿を考えることが、SNS採用では重要です。
自社の魅力を整理する
ターゲットが決まったら、その人に何を伝えるのかを整理します。給与や福利厚生だけでなく、仕事内容、職場の雰囲気、一緒に働く社員、キャリア、会社の考え方なども採用における魅力になります。
ここで注意したいのが、企業側が伝えたいことだけを発信しないことです。「アットホームな会社です」「若手が活躍しています」と伝えるだけでは、求職者には具体的な職場の様子が分かりません。
たとえば「若手が活躍している」のであれば、実際の若手社員に仕事内容や入社後に任された仕事について話してもらうほうが伝わります。社員インタビューや1日の仕事、職場の写真など、できるだけ具体的な情報に落とし込みましょう。
会社の魅力を言葉で説明するだけでなく、社員や仕事を通じて「見せる」ことを意識すると、SNSの特性を活かせます。
無理なく続けられる運用体制をつくる
SNS採用で難しいのは、アカウントを始めることよりも続けることです。最初は毎日のように投稿していても、担当者の通常業務が忙しくなり、数か月で更新が止まってしまうケースもあります。
毎日投稿することが目的ではありません。週1回や月数回でも、自社で無理なく続けられる頻度を決めることが大切です。
社員紹介、仕事内容、よくある質問、社内イベントなど、あらかじめ投稿テーマをいくつか決めておくと、毎回ゼロから企画する必要がなくなります。一つの社員インタビューを採用サイトの記事、Instagram、Xなどに分けて活用する方法もあります。
SNS採用は短期間で終わる施策ではないため、投稿数を増やすことよりも、半年、1年と続けられる運用方法を考えましょう。
社員にも発信に協力してもらう
採用担当者だけでSNSを運用しようとすると、投稿できる内容にも限界があります。仕事内容や職場の雰囲気を伝えるには、実際に働いている社員に協力してもらうのも効果的です。
社員インタビューへの協力や写真撮影、仕事に関するコメントなど、必ずしも社員自身にSNSを運用してもらう必要はありません。採用担当者が素材を集め、会社の公式アカウントから発信する方法でも十分です。
社員自身がSNSで仕事について発信する場合は、会社の公式発表と誤解される表現や、顧客情報、社内情報などの取り扱いにも注意が必要です。
社員のリアルな声は採用コンテンツとして大きな魅力になりますが、発信を個人任せにせず、会社として最低限のルールを決めておくことが大切です。
まとめ
SNS採用は、学生に自社を知ってもらい、求人票だけでは伝えにくい職場の雰囲気や社員の人柄を届けるための手段です。InstagramやTikTok、X、LINEなど、それぞれの特徴を踏まえて活用することで、新卒採用における接点を広げられます。
ただし、SNSを始めればすぐに応募が増えるわけではありません。まずは「認知度を高めたい」「説明会への参加を増やしたい」「社風を伝えたい」など、活用する目的を明確にすることが重要です。
そのうえで採用したい人物像を整理し、学生が知りたい仕事内容や社員の声、キャリア、働く環境などを継続して発信しましょう。投稿数を増やすことよりも、採用ターゲットにとって役立つ情報を無理なく発信し続けることが、SNS採用を成功させるポイントです。
最初から複数のSNSを運用する必要はありません。自社の採用ターゲットや発信しやすいコンテンツに合う媒体を一つ選び、小さく始めながら反応を見て改善していきましょう。






















